三菱重工業とヤマハ発動機は、共同開発を進めている積載量200kgの中型マルチコプター型無人機(ドローン)の飛行試験を行ったと5月22日に発表。中型ドローンのハイブリッド化により、将来的には航続距離200kmまでの延長をめざす。

  • ハイブリッドタイプ中型無人機の飛行試験の様子

4月中旬には、三菱重工の研究施設で飛行試験を行い、初浮上に成功したという。この試作機を、幕張メッセで行われる展示会「Japan Drone 2025」(会期：6月4日～6日)の三菱重工業ブースで展示予定だ。

中型ドローンの開発を進める三菱重工は、エンジンで発電した電力を使って各ローターを電動モーターにより回転させる“ハイブリッド化”で、ドローンの航続距離の延長をめざしている。ヤマハ発動機が研究開発する小型軽量発電ユニットを活用するため、両社は2024年3月に共同研究に関する契約を締結した。

開発中の中型ドローンは、バッテリータイプとハイブリッドタイプがあり、前者の航続距離は15km。後者は、将来的には航続距離200kmをめざす。機体の寸法は全長約6mで、離発着地までトラックで運べる運搬容易性も追求する。

中型ドローンは、災害時の課題である孤立地域への支援物資輸送や、物流量が少ない離島・山間部などの路線における物流効率化、クルマでのアクセスが困難な山間部の工事における資材運搬などへの活用が期待されている。