第8世代BiCS FLASH技術を採用したエンタープライズSSD
キオクシアは5月16日、同社の第8世代BiCS FLASH 3次元TLCフラッシュメモリ技術を採用したNVMeエンタープライズSSD「KIOXIA CM9シリーズ」を開発し、5月19日から22日にかけて米国ラスベガスで開催される「Dell Technologies World」にて試作品の参考展示を行うことを発表した。
同シリーズが採用する第8世代BiCS FLASH技術は、CMOS回路とメモリセルアレイを2枚別々のシリコンウェハにそれぞれに最適なプロセスで作製し、その後2枚のウェハを貼合するCBA(CMOS directly Bonded to Array)技術と、BiCS FLASHで電気的にアクセスするメモリセルを選択する際に電圧を印加するワード線・ビット線・選択ゲートのうち、選択ゲートを分離する絶縁体(選択ゲート分離体)を従来のメモリ機能を持たないダミーのメモリストリングに重ねて配置する方法から、選択ゲート分離体をメモリ機能を持つメモリストリング間に配置することで、ダミーメモリストリングを排除し、メモリ密度を高めることを可能とした「OPS(On Pitch SGD)」技術を採用することで、1Tb TLCでデータ読み出し時間40μs、データ書み込み速度205MB/s、インタフェース速度3.2Gbpsのメモリ動作を実現したもの。ワード線を218層積層し、メモリ密度は18.3Gb/mm2を実現したとする。
2.5インチ品で最大61.44TBを提供
これらの技術を採用した同シリーズについては、PCIe 5.0、NVMe 2.0、NVMe-MI 1.2c、およびOCP Datacenter NVMe SSD 2.5に準拠しており、2.5インチおよびE3.S SSDフォームファクター、デュアルポートに対応した製品群となり、2.5インチ品の容量は最大で61.44TB、E3.S品の容量は最大で30.72TBとしている。
また、その性能としては、リードインテンシブが1DWPD(Drive Writes Per Day)、ミックスユースで3DWPDの耐久性、シーケンシャル性能(128KiB/QD32)がリード14.8GB/s、ライト11GB/s、ランダム性能(4KiB)が3400KIOPS(QD512)および800KIOPS(QD32)としている(2025年5月16日時点の暫定仕様、今後変更される可能性があるという)。
なお、これらの性能は前世代となるCM7シリーズ比で見ると、ランダムライトで約65%、ランダムリードで約55%、シーケンシャルライトで約95%の性能向上を実現するほか、消費電力1Wあたりの性能向上も実現しており、シーケンシャルリードで約55%、シーケンシャルライトで約75%の効率改善を達成しているという。