OMNIVISIONは4月10日、ハイエンドスマートフォン(スマホ)向けにピクセルサイズ1.6μmで5000万画素(50MP)を実現した1型CMOSイメージセンサ「OV50X」を発表した。
同社によると、同製品はプロの写真家などを念頭に設計されたもので、110dBに近い単一露光HDR(Single Exposure HDR)を実現できるLOFIC(横型オーバーフロー蓄積容量)と呼ぶ画素構造を取り入れた独自技術「TheiaCel(ティアセル)」を採用することで、日の出や日没、明るい夜間、曇りの日など、撮影が難しい条件下にあっても、いつでも優れた動画や写真の撮影が可能なスマホを利用することができるようになるという。
また、4画素セルを1まとめとした4ピクセルビニング(4‑cell binning、画素数は12.5MP)をサポートし、180fpsおよび3チャネルHDRで60fpsのフレームレートを実現可能とするほか、デュアルアナログゲイン(DAG)HDRとセンサに搭載されたクロップズーム(センサの一部を切り取って拡大するズーム)機能により、高品質な8K動画も撮影可能だとしている。
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左がフォトダイオードの1回露光時に明所に合わせてゲインを低く設定したローコンバージョンゲイン(LCG)と暗所に合わせてゲインを高く設定したハイコンバージョンゲイン(HCG)、という異なるゲインの2回読み出しを行い、それらのデータを組み合わせることで単一露光でのHDRを実現するデュアルコンバージョンゲイン(Dual Conversion Gain:DCG) HDRのみを利用して撮像した画像。右がDCGにLOFICを組み合わせたOV50Xの画像 (出所:Omnivision)
さらに、100%カバレッジの2×2の位相差検出(Quad Phase Detection:QPD)による高いオートフォーカス(AF)性能や、独自のPureCel Plus-Sスタックダイテクノロジーによる高い低照度性能も提供するとする。
なお、同製品はすでにサンプル出荷を開始しており、量産は2025年第3四半期を予定しているという。