Neowinはこのほど、「Microsoft says user feedback alone would have never made modern Windows design as "special"」において、MicrosoftはWindows 8のUIデザインにはユーザーからのフィードバックがあまり考慮されていなかった可能性があると伝えた。

Windows 8では、タッチ操作に最適化した「Metroスタイル」と呼ばれるユーザーインタフェースが採用された。タブレットPCなどを意識した革新的なデザインだったが、ユーザーからの評判は良くなかった。

  • Microsoft says user feedback alone would have never made modern Windows design as "special" - Neowin

    Microsoft says user feedback alone would have never made modern Windows design as "special" - Neowin

Windows 8のデザイン刷新は成功だったのか

Microsoftは、創立50周年を迎える記念企画の一つとして、Windowsのデザインの歴史を振り返る対談記事「A glimpse into the history of Windows design - Microsoft Design」を公開した。これは、2000年以降にWindowsのデザインに携わってきたUIデザイナーのHarold Gomez氏、Jeremy Knudsen氏、Kim Sealls氏の対談をまとめたもの。

この対談の中でHarold Gomez氏は、「Windows デザインの成功に貢献したものは何だと思いますか?」という質問に対し、次のように回答している。

「デザインプロセスの一部は、ユーザーフィードバックとデザイン感覚のバランスを取ることです。お客様からのフィードバックだけに頼っていたら、Windows 8のMetroスタイルには到達できなかったでしょう。(中略)情報デザイン、タイポグラフィー、レイアウト、モーションデザインをシステムの不可欠な要素にすることなどを実験しました。お客様のニーズを理解し、その洞察をデザイン感覚と組み合わせることで、特別なものを作ることができました」

Neowinの指摘は、Harold Gomez氏の回答を根拠にしたものである。ただし、同氏が述懐しているような好意的な論調とは少し異なる。確かに、Windows 8のデザインはモダンで斬新なものだったが、実際には多くのユーザーから批判の声が上がり、Windows 8.1では大幅な変更が加えられることになった。

Harold Gomez氏は、デザインプロセスで重要なのは「ユーザーフィードバックとデザイン感覚のバランスを取ること」と答えている。結果だけを振り返ってみれば、Windows 8はデザイン感覚に寄りすぎて、ユーザーフィードバックが軽視されていたと言えるかもしれない。そして、Windows 8.1ではフィードバックを重視することでバランスを取り戻す方向に舵を切った。

Windows 8のデザインへの批判は確かに多かったが、フラットデザインやタッチ操作への配慮など、現在のWindowsにもそのデザインの要素は数多く残っている。現在のWindowsは、Metroスタイルを出発点としてユーザー体験を重視する方向で磨かれた進化形とも言える。そういう意味では、Windows 8から現在までの変遷は、ユーザーフィードバックの重要性を表す好例と言えるかもしれない。