TrendForceによると、2024年第4四半期のNAND市場はPCおよびスマートフォン(スマホ)メーカーの在庫処分の取り組み継続に伴うサプライチェーンの調整もあり、価格下落圧力から、平均販売価格が前四半期比4%下落、全体的なビット出荷量も同2%減となり、全体の売上高はも同6.2%減の165億2160万ドルに留まったという。
2025年第1四半期もNANDサプライヤ各社が減産を進めているものの、季節的な閑散期の影響から、サーバやその他の主要なエンドマーケットの在庫補充の鈍化から、注文量と契約価格の両方の低下がみられることから、全体の売上高は最大で同20%ほど下落することが予想されるという。ただし、減産が効果を発揮し、価格が安定するにつれて、NAND市場は2025年後半に向けて回復していくとTrendForceは予想している。
サプライヤ各社ともに売り上げは減少
Samsung Electronicsはトップシェアを維持したものの、コンシューマ市場の需要低迷の影響もあり、同四半期の売上高は同9.7%減の56億ドルに留まった。同社は今後、エンタープライズSSDの開発に注力するなど、市場の変化への対応を目指していくことを掲げている。
2位のSKグループ(SK hynixと米Solidigm)の売上高は同6.6%減の33億91900万ドルとなった。同社は需要の変動に応じて生産能力を動的に調整することでHBM、従来DRAM、エンタープライズSSDの提供などを推進し、包括的なAIエコシステムメモリサプライヤとしての地位を確立することを目指している。
3位のキオクシアの売上高は、エンタープライズSSDの出荷増がスマホとPCの需要低迷をカバーした結果、同0.2%減の26億5760万ドルとほぼ横ばいを維持した。同社は3D NANDの層数を増やしつつ、データ転送速度の向上を図るなど、既存装置の活用による技術アップグレードを推進することで成長を目指している。
4位のMicron Technologyの売上高は、エンタープライズSSDの出荷が好調であったが、コンシューマ市場の需要低迷を相殺することができなかった結果、同9.3%減の 22億7500万ドルにとどまった。同社は2025年、NANDへの設備投資を削減する一方、売り上げを高めることを目的に、60TB以上のエンタープライズSSDの需要に重点を置く方向性を示している。
5位のWestern Digital/Sandiskの売上高は、価格下落の一方で、消費者向けNAND製品の出荷が予想を上回り、総ビット出荷量が前四半期比で増加した結果、同0.4%減の18億7600万ドルとほぼ横ばいとなった。NVIDIAのProject DigitsやAI PCといったトレンドが勢いを増す中、主要なPC SSDサプライヤであるSandiskは、2025年第2四半期以降、着実な成長が見込まれるという。