新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2月17日、「量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」の一環として、量子コンピュータのビジネスでの利活用推進を目的とした「量子コンピューター ユースケース事例集」を作成、公開したことを発表した。
量子コンピュータの社会での活用が世界中で期待されており、日本政府も2022年4月に「量子未来社会ビジョン」を策定するなど、量子産業の創出・発展に向けて取り組む姿勢を見せており、NEDOでも2023年度から同事業において、量子コンピュータの利活用に関する研究開発(ユースケース開発)を推進してきたという。
そうした中、今後、日本国内でのユースケース開発のノウハウのさらなる蓄積に向けては、量子コンピュータのユーザー企業をこれまで以上に増やしていく必要があるが、実際に国内で先行するユーザー企業が、どのような利活用を行っているのかはあまり知られていないという認識からNEDOでは今回、国内における量子コンピュータの利活用研究開発の活性化を図り、ビジネスでの利活用を加速させるため、国内企業を中心とした量子コンピュータの活用事例を収集・分析し、事例集として公開することを決めたとする。
同事例集は、国内企業を中心とした量子コンピュータのビジネスでの利活用事例として56事例が掲載されている。内容としても、産業分野として「製造分野」「交通分野」「エネルギー分野」「創薬・医療分野」「金融分野」の6つの領域が取り上げられているほか、技術分野として「CAE分野」「AI分野」「セキュリティ分野」の3つの領域が取り上げられている。