ヘッドスプリングは1月31日、さまざまなパワーエレクトロニクス機器の開発期間の短縮を実現するためのラピッド・プロトタイピング・ツール「biRAPIDシリーズ」の新製品として、研究開発・試作開発向けにDC800V入力に対応する「18kVA SiC三相インバータ」を発表した。

biRAPIDシリーズは、パワーエレクトロニクス機器の試作・製造に必要な機能をパーツごとに構成してモジュール化したもの。ユーザーは、開発するシステムの一部を同シリーズに置き換えることで、試作に必要な個所を低減し、差別化のポイントに注力することができるようになる。

すでに提供済みのコントローラやセンサなどと今回の三相インバータを組み合わせることで、誘導モータ(IM)や永久磁石同期モータ(PMSM)のドライバとして利用できるほか、太陽電池や蓄電池といった直流電力源を系統連系させるパワーコンディショナ(PCS)を構築するためにも利用が可能だという。また、DC/DCコンバータ(チョッパ回路)としての使用も可能とするなど、幅広い電力変換用途に対応できるとしている。

さらに、最新世代のSiCパワーデバイスを採用することで、最大DC800Vの高電圧にも対応。AC400V系の電力系統や定格400Vのモーターにも対応できるほか、SiCの特性の1つである高いスイッチング周波数による運転も可能としたとする。

加えて、電流保護、過電圧保護、短絡(DESAT)保護機能を搭載することで、異常を即座に検知し、数μs以内に動作を停止できるため、開発時のトラブルや調整ミスがあっても機器の破損を防ぐことができるほか、入力電圧センサと出力電流センサを標準搭載し、外部へのアナログ出力を可能としたことで、追加のセンサ回路が不要となり、同製品とコントローラだけでの動作を可能としているという。

  • 18kVA SiC三相インバータ

    ヘッドスプリングの18kVA SiC三相インバータ