デンソーは1月31日、2025年3月期第3四半期の連結業績を発表した。売上収益は、前年同期比1.2%(664億円)減の5兆2,884億円。営業利益は、同68.3%(1,630億円)増の4,016億円で過去最高を記録。税引前利益は同55.1%(1,592億円)増の4,479億円。当期利益は同78.1%(1,371億円)増の3,127億円。

  • (左から)松井靖副社長、経理部長の荒井是氏

  • 2025年3月期第3四半期 連結業績

第3四半期の売上収益は、円安進行があるものの、アジアでの販売不振や国内の顧客の稼働停止影響に伴う車両減産により、前年比で減収。一方で営業利益は、操業度差損や部材費高騰の影響を受けつつも、為替差益や合理化努力により前年比で増益となった。

  • 2025年3月期第3四半期 営業利益の増減要因(前年比)

グローバルの地域別の状況(日本以外は為替の影響を除いた現地通貨ベース)としては、売上収益はアジアでの販売不振や、国内顧客の稼働停止に伴う車両減産などによって、その他を除く全地域で前年比で減収。

国内以外の営業利益については、特に北米は電動化安全関連製品の拡販などによる増加と、合理化努力によって前年比154.5%増益。業績説明会の中で、松井靖副社長は「経営課題として取り組んできた収益改善の効果が着実に現れている」と述べた。一方、欧州やアジアについては車両販売不振の影響でいずれも前年比減益となっており、短期的に車両販売の回復が見込めないことから、固定費削減による構造改革を推進するとのこと。

  • 2025年3月期第3四半期 地域別の売上収益・営業利益(前年比)

設備投資は前年比20億円減の2,768億円で、年間予想は3,800億円を維持。デンソーは11月に、富士電機と共同申請していた「半導体の供給確保計画」が経済産業省から認定されたことを発表しており、クルマの電動化進展に不可欠なパワー半導体安定供給に向けて戦略的な投資を継続する。研究開発費については、前年比473億円増の4,511億円で、年間予想は前回予想の6,400億円を維持しつつ、将来成長に向けた電動化や先進安全などの注力領域への導入を加速する。

松井副社長は研究開発の事例として、米国のスタートアップ・Quadric(クアドリック)とのAI半導体(NPU)に関する開発ライセンス契約締結や、オンセミとの先進安全領域の半導体分野における連携強化、ロームとの半導体分野における戦略的パートナーシップの検討開始の3点を紹介。「自動運転やコネクティッドといったクルマの自動化を支える研究開発に取り組む」と述べた。

  • 設備投資・償却費・研究開発費の推移(前年比)

2025年3月期の通期業績見通しについては、売上収益は円安進行による売上増等を反映し、前回公表値の7兆200億円(2024年9月時点)から、700億円増の7兆900億円(前年同期比0.8%減)へと上方修正。営業利益は5,500億円(同44.5%増)で据え置き、年間予想としては過去最高になるとのこと。第4四半期の想定為替レートは1ドル145円、1ユーロ155円とした。

  • 2025年通期予想