ローランド ディー.ジー.は、誰でも手軽に陶製品を作れるようにするパウダー3Dプリンターを1月29日に発表。造形サイズや速度が異なる「PB-600」、「PB-400」の2機種展開で、価格はオープンプライス(本体、ソフトウェアを含む合計価格)。別途運送・設置費がかかる。日本と台湾、ASEAN地域で先行発売を同日開始。今後販売エリアを拡大する。

  • パウダー3Dプリンター「PB-600」(左)、「PB-400」(右)

プリントヘッドから噴射する液体の結合剤(バインダー)で、一層ずつ固めながら積み重ねて立体造形物を作り出す、バインダージェット方式の3Dプリンター。

専用パウダーとして人工セラミックス「BRIGHTORB」(ブライトーブ)を採用。粒子が微細な上、焼成後の収縮率が1%以下という高い性能を追求している。PBシリーズでは、この微細な材料を最適な厚みで積層することで、複雑な造形物を高精度かつ滑らかに仕上げられるようにした。

これまで限られた職人にしか製作できなかった難しい形状の陶製品をはじめ、手作業では難しい構造を持つアーティスティックな内装オブジェや陶板、陶壁、さらには美術工芸品や土器などのレプリカなどを、誰でも製作・再現できるようになるという。

  • PBシリーズの造形サンプル

造形サイズと造形速度は、PB-600が最大595×600×250mm(幅×奥行き×高さ)で1層あたり35秒。PB-400が最大390×290×200mm(同)で1層あたり45秒。XY解像度と積層ピッチはどちらも600×600dpi、0.1mmで共通。外形寸法/重量は、PB-600が3,150×1,344×1,900mm/1,200kg、PB-400が1,709×970×1,382mm/430kg。

3D CADや3D CGソフトウェアで作成した造形物の3Dデータを出力データに変換する、スライスソフトウェアを標準付属。プリンターも製品本体に取り付けられたモニター上から直感的に操作できるため、はじめてのユーザーでも安心して使えるとしている。