Armは1月23日、同社が2024年2月に発表したチップレットベースでのシステム構築の簡便化を目指した「Chiplet System Architecture(CSA)」の公開仕様を初めてリリースしたことを明らかにした。
CSAは、ADTechnology、Alphawave Semi、AMI、Cadence Design Systems、Jaguar Micro、Kalray、Rebellions、Siemens、Synopsysなど60を超えるパートナーが形成するエコシステムとの共同開発に基づき、システムのパーティショニングとチップレットのコネクティビティに関する一連の標準規格を提供することを目指す取り組みを推進してきており、これにより任意の準拠システムへの適用や再利用を進めようとしている。
Armでは今回の仕様公開にあたって、多くの革新的なテクノロジー企業が広くCSAに参加し、Armベースのチップレット・エコシステムの基盤が形成されることで、今後はシステム設計に革新を起こし、SoCの柔軟性、アクセシビリティ、コスト効果を高めつつ、断片化のリスクが軽減できるようになることが期待されているとするほか、公開仕様の提供により、AIワークロードの多様性に対応しつつ、シリコンを特定の市場に適合可能な形でチップレットを定義し、コンポーザブルSoCに接続する方法について、設計者が共通の理解が得ることができるようになると説明している。
すでに、Arm Neoverse Compute Subsystems (CSS)をベースとしたカスタムシリコンを円滑に提供するためのエコシステムである「Arm Total Design」の活動の一環として、CSAに参加している複数のベンダがソリューションの構築を進めており、Arm Neoverse CSSをベースとしたチップレットと独自仕様のI/Oダイを組み合わせた特定ニーズに合わせたアクセラレータの接続であったり、複数パートナーが協力する形で、データセンターの大規模AIワークロードのトレーニング/推論向けにAI CPUチップレットプラットフォームを開発。生成AIワークロード(Llama3.1 405BパラメーターLLM)の効率性で推定2~3倍の優位性を実現できることを示したという。このチップレットプラットフォームは、CSAとの標準化作業の結果、Samsung Foundryの2nmゲートオールアラウンド(GAA)プロセスを用いた実装が可能になっているという。