Preferred Networks(PFN)、Rapidus(ラピダス)、さくらインターネットの3社は1月8日、グリーン社会に貢献する国産AIインフラの提供を目指すため、基本合意を締結した。

  • 国産AIインフラの提供に向けて協業する

    国産AIインフラの提供に向けて協業する

基本合意の内容

生成AIなどのAI技術は様々な分野で活用が進み、これからの社会・産業を支えるインフラ技術としてさらなる発展が見込まれている。

こうしたAI技術の開発・社会実装には膨大な計算力が必要であり、継続的・安定的な計算力の拡大が不可欠となっている。一方で、増加する電力消費量や、国際情勢の変化に伴う半導体サプライチェーンのリスクが課題となっており、電力あたりの演算性能の高いAI半導体を国内で安定的に開発・製造・供給できる体制の構築が求められているという。

これまで3社は、さまざまなグリーン技術の活用しており、PFNでは省電力かつ高い演算性能を持つAIプロセッサ「MN-Coreシリーズ」の設計・開発、Rapidusは低消費電力を実現する最先端ロジック半導体、先端パッケージの開発・製造、さくらインターネットは再生エネルギーの活用によるCO2排出削減、外気を使ったサーバ冷却による消費電力削減などに取り組んできた。

今回の3社の取り組みでは、各社が取り組んでいるグリーン技術を活用しながら、PFNが今後新たに設計するMN-coreシリーズの最先端モデルをRapidusが製造し、さくらインターネットが持つ生成AI向けクラウドサービスの開発における知見を組み合わせることで、グリーン社会に貢献する国産AIインフラを整備することを目指す。

また、これを起点に、国内のさまざまな事業者が運営するデータセンターにも展開し、国内において安定的かつ持続可能なAI技術の発展とグリーン社会の両立に貢献していく考えだ。

なお、昨年7月にSamsungが2nmファウンドリプロセスと同社独自の先進2.5Dパッケージング技術「Interposer-Cube S(I-Cube S)」を使用したターンキー半導体ソリューションをPFNに提供すると発表しているが、3社の取り組みは次世代のAI半導体の設計・開発に向けたものであり、別の製品ラインになるという。