三菱重工は、無人機(ドローン)を使って高速道路の状況を確認する実証試験を実施。パトロールカーの代わりに無人機を飛ばすことを想定したもので、その有効性を確認できたと12月25日に発表した。この試験は、東日本高速道路(NEXCO東日本)の協力を得て、常磐自動車道における夜間通行止め時に行ったとのこと。

  • 実証試験に使った小型無人機(ヘリ型ドローン)

実証試験は、常磐自動車道の大熊IC〜浪江IC間の10.2kmの区間において、三菱重工の民間機セグメントが開発中の小型シングルローター型無人機を用いて実施。路面状況の監視用に可視光+赤外線(IR)カメラを備え、さらに夜間飛行に対応するために路面照射用ライトも装備している。

今回は、高速道路の上空を時速50~60kmで夜間自動飛行し、高速道路上で安定して飛行できることや、無人機の搭載カメラによる夜間の高速道路の路面状況確認、落下物の認識が行えることを確認したという。

  • 小型無人機から撮影した高速道路の路面状況

  • 高速道路の落下物の状況

この無人機にはガソリンエンジンを搭載しており、風速20m/sの風にも耐えられる設計だという。飛行速度は、巡航速度が80km/hで最大速度130km/h、航続時間は最大2時間。本体サイズは約0.5×2×0.9m(幅×長さ×高さ)、燃料含むペイロードは7kg。

三菱重工は今後、AIによる落下物自動認識や、複数機同時運航の実証試験も行っていく予定。無人機によるさまざまな課題解決に取り組み、安全・安心・快適な社会の実現に寄与するとしている。