フォルテ、JR東日本青森商業開発、JR東日本スタートアップはこのほど、JR青森駅近くの商業施設A-FACTORYにて、積雪発電による持続可能な融雪システムの実証実験を実施すると発表した。

積雪発電によって生まれた電力は、イルミネーションイベント「あおもり灯りと紙のページェント」で、青森を彩る灯篭の一部の電力として活用される。

  • 「あおもり灯りと紙のページェント」のイメージ

「積雪発電」の概要

「積雪発電」は、スターリングエンジンを活用した温度差発電を豪雪地域の生活課題である「積雪」に用いることで、雪を融かし発電を行う仕組み。

温度差を生む熱源と冷媒により最大約1.0kWの発電が可能だという。他の再生エネルギーと比べ、エンジン自体が小さく小規模にもかかわらず効率よく発電が行える。

積雪発電では冷媒を冷やすのに雪を用いることで、雪を溶かしながら発電ができるため、従来の化石燃料(電気や灯油等)を用いて雪を溶かしていた労力やコストを削減し、逆に電気を生み出すことに利点があるという。

  • 「積雪発電」の仕組み

実証実験の内容

JR東日本青森商業開発が運営する商業施設A-FACTORYでは、積雪発電を用いた敷地内の融雪を行うことで、従来人手やコストを要していた除雪に関わる課題の解決を目指す。

A-FACTORYから生み出たダンボールやりんご搾りかすなどの廃棄物から、積雪発電の熱源となるペレットを生成することで、地域で資源を循環させる持続可能モデルの可能性についても検証する。

これまでも積雪発電の実証実験は実施していたが、社会課題の解決を目的として生活空間に社会実装するのは今回が初の試みだという。