アルバックとオーストリア(墺)の先端技術研究機関であるSilicon Austria Labs(SAL)は12月9日、次世代の光デバイスに必要とされる材料である「薄膜ニオブ酸リチウム(TFLN)」の量産製造プロセス向けプラズマエッチング技術の開発において連携することを発表した。

ニオブ酸リチウム(LN)は、優れた電気光学的、圧電的、非線形光学的特性を有する材料で、フォトニクスおよび通信分野で理想的な材料である可能性が指摘されており、中でも薄膜のTFLNは広帯域、低損失、高効率な電力特性を持ち、生成AIの普及に伴い増大するデータ通信容量の需要に応える最適な材料として注目されるようになっている。

そうした背景を踏まえ、今回の連携ではSALがアルバックのプラズマエッチング装置 Model「NLD-5700」を導入する形でTFLNの研究開発を推進することとなる。具体的には、200mmプラットフォーム上での材料統合およびスケーラビリティの向上を目指し、製造プロセスの最適化を進めていくとしている。

なお、実際の研究開発を推進するSALでは、アルバックの独自のプラズマ技術と、SALの集積フォトニクスの専門知識を組み合わせることで、次世代分野における技術革新を推進していくことを目指すこのパートナーシップは、SALがマイクロエレクトロニクスエコシステム全体に利益をもたらすソリューションを提供するという強い意志を示すものであるとコメントしており、急増するデータ通信容量の需要に対応しつつ、複雑化する相互接続の課題に取り組むことを目指して互いの強みを活かしながら、この新たな分野での協力を進めていくとコメントしている。

  • アルバックのプラズマエッチング装置 Model「NLD-5700」

    アルバックのプラズマエッチング装置 Model「NLD-5700」 (出所:アルバック)