Faraday Technologyは、Ansysの「Ansys RaptorXオンチップ電磁界(EM)モデリングソリューション」を活用する形で、人工知能(AI)、IoT、5Gアプリケーションなどで活用されるマルチダイ2.5D/3D-ICの高度な設計開発能力を強化したことを発表した。

2.5D/3D-ICパッケージでは、実際の製造に進む前にチップに生じる課題の把握、解決のためにチップ設計に信頼性の高い信号と構造の完全性、および信頼性の高い配電が含まれていることを検証するための適切なマルチフィジックス解析ツールを必要とされているが、この課題は、より高密度化が進むことで電磁界の問題が複雑化していくこととなり、その把握が重要となっているという。

Faradayでは、2.5D/3D-ICパッケージの設計フローにRaptorXを追加する形で、開発プロセスの精度と効率の向上を図ったとするほか、先進的な3D-IC製品における予測精度の高いEMモデリングと解析を可能にし、データ転送が厳しい最新規格への適合も可能としたとのことで、これらの取り組みにより設計の忠実度が向上し、性能と信頼性が強化され、市場投入までの時間短縮を図ることができるようになるとしている。

なお、Faradayでは、2.5D/3Dパッケージの製造は高価で、ミスは許されないことから、プロジェクト全体のコストを低く抑えることが重要視されており、初期設計から最適化を図っていく必要があるとしており、設計フェーズの段階でRaptorXを活用できるようになることで、設計検証やサインオフを含む効率的なワークフローを顧客に提供できるだけでなく、一流のテストや製造サービスにもアクセスできるようになるため、チップ性能や寿命に対する疑念を取り除くことができるようになると、RaptorXとの連携の効果を説明している。

  • それぞれのVDD/VSSネットワークが存在する48の信号を含むインターポーザレーンのEMag抽出と指標となるシミュレーション結果、および信号線のSパラメータ解析と過渡(アイダイアグラム)解析 (提供:Ansys),Aアイダイアグラム解析