SEMIは11月19日(米国時間)、市場調査会社であるTechInsightsと共同して発行する市場調査レポート「Semiconductor Manufacturing Monitor(SMM)レポート」の最新版を発表した。

それによると、2024年第3四半期のIC市場は前四半期比12％増を記録。半導体を搭載する電子機器市場も同8％増、第4四半期も同20％増の伸びが期待されており、併せてIC市場も同10％増を見込むとしており、2024年通年でも前年比20％以上の伸びが期待されるとしている。

  • IC売上高の推移

    IC売上高の四半期別推移 (C)SEMI/TechInsights

また、半導体製造装置も2024年上半期のマイナス成長から第3四半期にはプラス成長に転じており、特にメモリ関連の設備投資がメモリ市場の回復に併せる形で、第3四半期で前四半期比34％増、前年同期比67％増を記録。第4四半期もメモリ関連設備投資は同39％増とプラス成長が期待されており、それに引っ張られる形で全体の設備投資としても前四半期比27％増、前年同期比31％増の伸びが期待されるとしている。

さらに、第3四半期のウェハファブの四半期生産能力は4140万枚(300mmウェハ換算)で、内訳としてはファウンドリ/ロジックが前四半期比2.0％増、メモリが同0.6％増となっているほか、第4四半期も全体として同1.6％増、ファウンドリ/ロジック関連で同2.2％増、メモリが同0.6％増程度との見通しを示しており、すべての主要指標で2年ぶりに前四半期比でのプラス成長を達成したとしている。

  • 半導体設備投資(CAPEX)およびファブ生産能力の四半期別推移

    半導体設備投資(CAPEX)およびファブ生産能力の四半期別推移 (C)SEMI/TechInsights

SEMIとTechInsightsでは、ICの成長の後押しとなっているのは季節的要因とAIデータセンターへの投資による旺盛な需要、半導体製造装置の伸びは中国での旺盛な設備投資と先端技術への投資拡大との見方を示しているが、その一方で家電、車載、産業市場の回復ペースは穏やかなものにとどまっていると指摘している。ただし、2025年にかけて金利が下がるとの見方を踏まえ、そうなれば消費者心理の改善が進み、家電や自動車の購入が進み、市場の成長につながることが期待されるとしている。