米国半導体工業会(SIA)は11月5日(米国時間)、2024年第3四半期の半導体市場(売上高)が前年同月比23.2%増、前四半期比10.7%増の1660億ドルとなったと発表した。また、2024年9月の単月売上高は前月比4.1%増の553億ドルとなり、月間売上高として過去最高を記録したという。
SIAプレジデント兼CEOのジョン・ニューファー氏は「世界の半導体市場は2024年第3四半期も成長を続け、四半期ごとの売上高は2016年以来最大の増加率を記録した。また、9月単月の売上高は、米州が前年同月比46.3%増となったことに牽引され、単月売上高の過去最高を更新した」と述べている。
国・地域別に9月の売上高を見ると、前年同月比では米州が46.3%増、中国が22.9%増、アジア太平洋/その他地域が18.4%増、日本が7.7%増となってほか、欧州のみ8.2%減とマイナス成長を記録した。また、前月比でみると米州が4.1%増、中国3.6%増、アジア太平洋/その他が4.5%増、日本が5.3%増、欧州が4.0%増とすべての国・地域でプラス成長を達成している。
最近の半導体市場の成長のけん引国・地域は中国ではなく米州で、米州の半導体売上高は2024年7月に中国を抜いて23年ぶりに国・地域別でトップになって以降、同年8月もトップを維持したほか、2位の中国との差を広げている。具体的には7月における米州と中国の差は1億8000万ドル(約267億円)であったが、8月には差が10億8000万ドル(約1600億円)まで拡大しており、9月も10億2000万ドルの差をつけている。
米州の市場拡大は、中国市場の縮小といった相対的なものではない点に注目する必要がある。中国も毎月着々と成長を遂げており、2024年9月の市場規模は前年同月比で22.9%増の160億ドルと伸ばしている中にあって、米州はそれ以上の伸びを見せており、そうした伸びの背景には生成AI市場の中心地としての存在感が増していることが挙げられる。中国市場も決して縮小しておらず、この2つの地域の伸びが現在の半導体市場の成長をけん引しているといえるだろう。