ソニーセミコンダクタソリューションズは11月19日、産業機器向(産機)けに、394fpsの高速処理と、有効約2455万画素を両立した裏面照射型画素構造のグローバルシャッター方式積層型CMOSイメージセンサ「IMX925」を商品化したことを発表した。

  • CMOSイメージセンサ「IMX925」

    CMOSイメージセンサ「IMX925」の外観 (出所:ソニーセミコンダクタソリューションズ)

同製品は、画素の読み出しやA/Dコンバータ(ADC)におけるセンサ駆動を効率化した新たな回路構造を採用することで、データ出力までにかかる時間の短縮による高速撮像を実現。これにより、従来品である「IMX530」と比べて4倍となる394fpsの読み出しフレームレートを実現したとするほか、消費電力も同比2倍以上に効率化したとのことで、さまざまな用途での測定・検査工程をより省電力かつ短時間で行えるようになるという。

また、独自の画素構造を採用したグローバルシャッター技術「Pregius S」も搭載。裏面照射型画素と積層構造により、2.74μmの微細画素ながら高い感度と飽和容量を実現しており、これによりCマウントサイズに対応する1.2型で有効約2445万画素を実現。高フレームレート対応と併せて高速で移動する対象物を歪み無く撮像できるため、装置や製造ライン内に柔軟に設置でき、小型ながら高精細な撮影を可能にするマシンビジョンカメラを実現できるとしている。

さらに、最大12.5Gbps/laneまで対応する独自のクロックをデータに埋め込んで転送するエンベデッド・クロック方式の高速インタフェース「SLVS-EC」を採用することで、高解像度の画像データを従来よりも少ないデータレーン本数で伝送できることから、FPGAの選択肢が広がり、より多様なカメラの高精度化と高速化を図ることもできるようになるともしている。

なお、同製品のほか、フレームレートをおよそ半分ほどに落とした「IMX935」、ならびに1/1.1型(対角14.0mm)で有効約1241万画素で高速フレームレートに対応するグローバルシャッター方式積層型CMOSイメージセンサ「IMX926」と「IMX936」(IMX926が10ビット時で588fps、IMX936が同302fps)の3製品も展開予定で、いずれも2025年5月よりサンプル出荷を開始する予定としている。

  • 4製品の主な仕様

    4製品の主な仕様 (出所:ソニーセミコンダクタソリューションズ)