NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は11月7日、千葉市において心疾患患者の運動習慣獲得およびウェルビーイングの向上を目的とした実証事業を開始することを発表した。健康寿命の延伸と不健康期間の短縮に向けて患者が継続的に健康づくりに取り組むために、時間や場所を問わない自己リハビリ環境の整備を目指すという。

取り組みの背景

心疾患は日本の死因の第2位を占めており、2030年には心不全患者が約130万人に達するとの予測もある。心疾患は再発を繰り返しやすい病気であり、入退院による病床の圧迫や医療費の増大が社会課題となっている。

千葉医療圏では心疾患に関する手術件数が多いにもかかわらず、人口当たりの外来リハビリの実施件数が少ないという。そこで今回、運動結果データの可視化や行動変容フィードバックなど、ICTを活用した心疾患患者の自己リハビリ環境を構築する。

実証の内容

今回の実証事業では、スマートウォッチとスマホアプリ「みえるリハビリ」で患者のリハビリに関する運動結果データやバイタルデータを収集して可視化し、自宅などでの運動をサポートする。

患者が着用するスマートウォッチから取得した運動結果データを可視化し、行動経済学の専門家による監修のもと構築した行動変容フィードバックシステムを活用し、応援メッセージを送付する。これと合わせて、相談員による患者応援サポートを行い、心疾患患者が自宅などでもリハビリに取り組み運動習慣を獲得できるよう支援する。

また、患者へのアンケート結果とNTT社会情報研究所の「肯定的な衝動を誘発する内発的動機付けメッセージ生成技術」をもとに、生成AIが一人一人の性格や嗜好に合わせたメッセージを作成。患者に定期的なフィードバックを行う。フィードバックには前日の運動結果に応じたポイントやレベルなどゲーミフィケーション要素を加え、行動変容を促す。

この仕組みは、行動変容を促したい活動に対して「肯定的な衝動を誘発する内発的動機付けメッセージ生成技術」と一人一人の性格を組み合わせ、「一人一人の性格・嗜好にあった行動変容装置および方法」として特許出願済みだという。

  • 実証のイメージ

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