Gartner(ガートナー)は10月28日(米国時間)、2024年の半導体市場は前年比19%増の6300億ドル、2025年は同前年比14%増の7170億ドルへと成長するとの予測を発表した。

製品別で見た場合の主なけん引役はメモリとAI向けGPUで、同社のSenior Principal AnalystであるRajeev Rajput氏は、「この成長は、AI関連の半導体需要の継続的な増加と電子機器の生産の回復によるものだが、自動車および産業部門からの需要は引き続き弱い」と、各セグメント別で温度差があるとの見方を示している。

  • 2023年~2025年の半導体市場予測

    2023年~2025年の半導体市場予測 (単位:10億ドル) (出所:ガートナー)

製品別市場におけるけん引役の1つであるメモリについては、2025年に同20.5%増の1963億ドルに達することが予測されるとする。またDRAMについては、供給不足の改善のほか、HBMの需要の高まりを背景とした生産数の増加、DDR5の価格上昇などから、2024年の901億ドルから2025年には1156億ドルまで増加することが予測されるという。

また、HBMだけを見ると、2024年は同284%増の123億ドル、2025年も同70%増の210億ドルと予測されるほか、同社のアナリストの見立てでは、2026年までにHBMチップの40%以上がAIの推論ワークロードの促進に役立つとしている。

一方のNANDについては、2024年に生じた供給不足により、価格が2024年は同60%の上昇としているが、2025年には価格環境の緩和により同3%の下落と予測しており、供給量の減少と併せて2025年は同12%増の755億ドルと予測している。

また、AIモデルの学習をけん引するGPUについては、2025年には同27%増の510億ドルに達すると予測されるという。ただし、同社のVP AnalystであるGeorge Brocklehurst氏は「市場は現在、投資収益率(ROI)の段階に移行しており、推論からの収益が学習への投資規模の何倍にも成長する必要が論じられるようになってきている」と、AIを活用したアプリケーションの市場浸透が求められる段階に入ってきていることを指摘している。