田中貴金属グループは9月26日、グループ内でボンディングワイヤ事業を担当する田中電子工業が九州経済産業局および九州半導体・デジタルイノベーション協議会(SIIQ)が共同事務局を務める形で半導体人材の育成など目指す産官学連携組織「九州半導体人材育成等コンソーシアム」に参画したことを発表した。
ボンディングワイヤは半導体のダイとパッケージを接続するために不可欠な材料で、同社でもパソコン、携帯通信端末、デジタル家電、宇宙開発にいたるまで、あらゆる分野のエレクトロニクス製品に向けて提供しており、その供給量は業界トップレベルだという。
また、同社が本社を構える佐賀県も含まれる九州地方は近年、TSMCの進出やソニーセミコンダクタソリューションズの新工場建設などもあり、半導体関連各社の進出が盛んとなっている。一方で、九州から半導体企業へ就職する新卒者は約2400人ほどとされているが、その半数ほど九州域外に流出しているという課題があり、同社としてもこうした課題解決の一助となるべく同コンソーシアムへの参画を決めたという。
なお同社では、同コンソーシアムへの参画を機に、半導体関連企業としてのブランド力を向上することで半導体産業の魅力を発信するとともに、長年の半導体産業で培った技術を生かし、九州の半導体人材の育成活動に貢献していきたいとしており、手始めに人材育成ワーキンググループの一員として、半導体の未来の製品・サービスを学生・教職員などとともに考えていく産学ミートアップ事業の活動に参加するとしている。