アストロスケールと日本旅行は8月8日、宇宙の環境問題についてのSTEAM教育プログラムを共同開発し、2024年9月より提供を開始することを発表した。

STEAM教育とは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術・リベラルアーツ(Arts)、数学(Mathematics)の5つの領域を対象とした理数教育に創造性教育を加えた教育理念。近年は、現実社会の問題を創造的に解決に向けて文理の枠を超えた横断的な学びの機会の推進が重要視されるようになってきている。

そうした教育環境の変化の中において両社が開発したプログラムは、宇宙の環境問題について理解を深め、考える内容となっており、アストロスケールが運営する一般見学施設「オービタリウム(Orbitarium)」にて、人類を取り巻く環境について「宇宙視座」での学びを提供するものとなっているという。

  • オービタリウムの中にある円形シアター

    オービタリウムの中にある円形シアター

オービタリウムは、多くの人工衛星やデブリが存在する宇宙の軌道の現状と、スペースサステナビリティの実現に向けたアストロスケールの取り組みを、宇宙の軌道に関する映像や展示、体験を含む見学コンテンツから学ぶことが出来る施設で、2023年7月にオープンしてから1年間で約1000名を超える来場者数を記録している。来場者の中には教育研修で来る人もあるとのことで、そうした経緯もあり、独自の探究体験プログラムを提供し、宇宙教育の知見もある日本旅行と協力することで、スペースサステナビリティについてより理解を深めることを目指して同プログラムの開発を行ったという。

両社は、人工衛星は通信やGPSなど、現代に生きる我々の日常生活や経済活動において必要不可欠な存在となっており、そうした人工衛星が運用されている宇宙の軌道について身近に感じてもらい、同プログラムを通じて将来の担い手の育成に貢献したいとしている。

開催されるスペースサステナビリティ教室は主に中高生をターゲットにしたもので、座学による宇宙産業を取り巻く環境や宇宙ごみ(スペースデブリ)の問題やその影響について、アストロスケールの取り組みを含めて学ぶほか、オービタリウムの見学(クリーンルームの内部の様子も時期などによるが見ることが可能)、学んだ内容を振り返るワークシートの活用や後日、学校における発表などを通じて、軌道がどのような状態にあるのか、軌道を維持して宇宙活用を続けていくためには何ができるのかなど、宇宙の環境問題について現場での体験を踏まえた学びを深めることを目指したものとなっているとする。

なお、申し込みはアストロスケール オービタリウム事務局の専用フォームより行うことができる。