島津製作所とシノテストは8月1日、感染症分野におけるPCR検査試薬の開発に向けて協業を開始することを発表した。

島津製作所は、1997年より同社独自技術「Ampdirect」を用いて簡便・迅速なPCR検査を可能にする試薬を開発してきた。核酸精製を行うことなくPCRを可能にする同技術を利用した島津製作所の体外診断用医薬品「Ampdirect 2019-nCoV検出キット」は、全自動でPCR検査を実施できる遺伝子解析装置「AutoAmp」などを利用することで、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を簡便に検出できるとする。

一方で臨床検査薬メーカーのシノテストは、2017年に先天性サイトメガロウイルス感染の診断補助に使用できる体外診断用医薬品を販売するなど、感染症分野における核酸試薬の開発に取り組んでいる。

そして両社は今回の協業を通じ、島津製作所が保有するAutoAmpなどのリアルタイムPCR装置で用いる検査試薬のラインナップ拡充を目指すという。

発表に際して両社は、シノテストが保有するPCR検査試薬の開発技術と、島津製作所が有するAmpdirect技術およびPCR装置の開発技術を組み合わせることで、感染症分野における検査体制の拡充に貢献していくとしている。