日本の齋藤健 経済産業大臣は、ジーナ・レモンド米国商務長官および安德根(アン・ドックン)韓国産業通商資源部長(日本の経済産業大臣に相当)の3者が6月26日、米国の首都ワシントンD.C.にて、日米韓商務・産業大臣会合を開催した。

3閣僚は、3カ国の経済協力の意義や重要性を確認し、重要・新興技術などの協力、サプライチェーン強靱化、公平な競争条件、クリーンエネルギーなどの経済分野における3カ国の連携強化に向けて議論するとともに、半導体やAI、重要鉱物、クリーンエネルギーなどの個別分野における協力について、共同声明を発表したほか、商務・産業大臣会合を毎年開催することで合意するとともに、引き続き事務レベルで各分野の協力を前進させていくことで一致したことも明らかにした。

  • 齋藤健 経済産業大臣

    左から日本の齋藤健 経済産業大臣、ジーナ・レモンド米国商務長官、安德根 韓国産業通商資源部長 (出所:経済産業省)

  • 日米韓 商務・産業大臣の初会合の様子

    日米韓 商務・産業大臣の初会合の様子 (出所:経済産業省)

共同声明の要旨における、半導体に関係ある部分としては、3か国は重要新興技術の開発を促進し、経済安全保障と経済的強靱性を強化するために、半導体を含む重要分野におけるサプライチェーンの強靱性を強化するための協力を優先し、透明性、多様性、安全性、持続可能性、信頼性からなる「強靱で信頼性のあるサプライチェーンに関する原則」を推進することで合意したことを強調している。

具体的には、先端技術の輸出管理における協調を深化し、先端産業技術に関する研究・技術革新での協力における民間セクターの連携を強化し、人工知能(AI)の安全で、確実で、信頼できる活用を確保するとともにその国際標準を発展させる取組を前進させ、重要新興技術と重要鉱物における協力を拡大し、経済安全保障の強化に向けて協力し、インド太平洋経済枠組み(IPEF)の実施を支援するためのパートナー間の長期的な経済協力を支援することを追求するとしており、これらの取組の一環として、三者がさまざまな非市場的政策および慣行に起因する戦略物資の潜在的なサプライチェーンの脆弱性を特定するために緊密に連携することの重要性を強調している。

半導体への取り組みとしては、日米韓3か国の経済成長と国会安全保障の維持に重要なさまざまな産業・使途において果たす不可欠な役割についての認識を再確認するとともに、強靱な半導体サプライチェーンを構築する目標を達成するための協力を加速するとしているほか、半導体と関係するAIについては、それぞれの民間セクターによるAIの責任ある利用を促進するための協力を強化し、AIの安全性に関する相互運用可能な基準、手法、評価の確立に向けた議論を深めることが必要であるとし、日米のAIセーフティ・インスティテュートが取り組んでいる重要な取組を歓迎し、AIに関する民間セクター間の研究・技術革新における協力を開始する方法を模索するとしている。