TrendForceによると、2024年第1四半期のファウンドリの売上高トップ10位の合計額は前四半期比4.3%減の約291億7000万ドルとなったという。

第1四半期は例年、コンシューマ市場の閑散期にあたること、ならびに事業者および産業機器分野がインフレや地政学的リスクの高まりの影響を受ける形で鈍化傾向にあり、全体としての勢いは弱まる方向にあるという。ただし、AIサーバについては、旺盛な投資意欲が続いており、市場の押し上げ要因となって下支えしている点は救いだともしている。

  • 2024年第1四半期の半導体ファウンドリ売上高ランキングトップ10

    2024年第1四半期の半導体ファウンドリ売上高ランキングトップ10 (出所:TrendForce)

中国SMICが3位に順位を上昇

企業別にみると、売上高1位はTSMCで2位はSamsung Electronicsという不動の順位に変化はない。ただし3位は、コンシューマ市場からの受注増や国産化の波の恩恵を受ける形で中SMICが前四半期の5位から、GlobalFoundries(GF)、UMCを抜き去り浮上してきた。代わってGFが自動車および産業機器の低調、ならびに既存型のデータセンター関連の事業見直しの影響などから前四半期の3位から5位に後退している。

前四半期比でマイナス成長を記録したのはTSMC、Samsung、GFのほか、7位のTower Semiconductorおよび8位にランクインしたPowerchip Semiconductor Manufacturing(PSMC)の5社。TSMCはコンシューマ市場がオフシーズンであることの影響を受ける形で売上高を同4.1%減の188億4700万ドルに落としたが、シェアは他社も売り上げを落とした関係から60%超を維持している。2位のSamsungもコンシューマ市場のオフシーズンの影響で売上高を同7.2%減の33億5700万ドルと落とした。

注目のSMICは、中国政府の国内生産の推奨と、中国勢の新型スマートフォン(スマホ)向けOLED DDIおよびイメージセンサ周辺ICなどで受注が伸びた結果、売上高は同4.3%増の17億17億5000万ドルまで伸ばした。4位のUMCは同四半期の出荷量を4.5%増と伸ばした一方、価格下落もあり、売上高は同0.6%増の17億4000万ドルに留まった。5位のGFは、上述の理由を中心にウェハ出荷量が同16%減となった結果、売上高も同16.5%減の15億5000万ドルまで落としている。

6位の中Hua Hongグループは出荷量と稼働率の両方で回復し、平均販売価格の低下を部分的に補うことで売上高を同2.4%増の6億7300万ドルと伸ばすことができた。7位のTowerは全体的な稼働率を前四半期比で若干改善させたものの、出荷構成の変更により平均販売価格が低下した結果、売上高は同7.1%減の3億2700万ドルにとどまった。 8位のPSMCは、12インチウェハの稼働率が改善したが、メモリの顧客のほとんどが低価格の特殊DRAMに集中していることもあり、売上高は同4.2%減の3億1600万米ドルに落ち込んだ。9位は中Nexchipで、売上高は同0.6%増とほぼ横ばいとなる3億1000万ドル、10位は台Vanguard International Semiconductor(VIS)で、ウェハ出荷数量が同約4%減となったことから、売上高は同0.7%増の3億600万ドルと前四半期よこばいとなっている。

なお、TrendForceでは第2四半期については前四半期比で1桁台前半の成長に留まるとの予測を示している。