三菱電機は6月10日、鉄道車両・直流送電などの大型産業機器向け大容量SiCパワー半導体「SBD内蔵SiC-MOSFETモジュール」の新製品として、耐電圧/定格電流「3.3kV/400Aタイプ」と「3.3kV/200Aタイプ」の低電流領域の2製品を追加したことを発表した。

これにより、既存の「3.3kV/800Aタイプ」と合わせて3製品構成となり、同モジュールは「Unifull(ユニフル)シリーズ」として提供されることになるという。

シリーズモデルとして定格電流が異なる3製品が提供されることとなり、同社では、鉄道車両の補助電源装置や比較的小容量の駆動システムへの採用が可能になり、電力変換効率の向上のため多様な出力容量が求められる大型産業機器向けインバーターへの対応領域が拡大するとしている。また、SBD内蔵SiC-MOSFETを採用することで、スイッチング損失を従来のフルSiCパワーモジュール比で約54%低減、従来Siパワーモジュール比で91%低減することが可能としており、インバーターの電力損失の低減による大型産業機器向けインバーターのさらなる高出力・高効率化を可能にするともしている。さらに、BMA(Bipolar Mode Activation:バイポーラモード活性化)セル構造を採用することで、サージ電流耐量の向上を果たしており、インバーターの信頼性向上も可能になるとしている。

  • 3.3kV SBD内蔵SiC-MOSFETモジュール「Unifull」の外観

    3.3kV SBD内蔵SiC-MOSFETモジュール「Unifull」の外観 (提供:三菱電機)