Intelは4月18日(米国時間)、米国オレゴン州ヒルズボロにある同社の研究開発施設に導入したASMLの商用高NA(NA=0.55) EUV露光装置置「TWINSCAN EXE:5000」の組み立てが完了したことを発表した。

Intelでは、将来的なプロセス技術ロードマップ上にある製品製造に備えて、現在、同露光装置は校正工程にあると説明しており、2020年代後半にかけてIntel 18Aの先にある微細プロセス技術での活用が予定されている。

Intelでは、TWINSCAN EXE:5000と自社のプロセス技術を組み合わせることで、従来のEUV露光装置(NA=0.33)と比べて、解像度を最大で1.7分の1に縮小できると見込んでおり、これにより2次元パターンの微細化を可能とし、最大2.9倍の密度向上を果たすことができるようになると説明している。

また、パターニングの際のコントラスト比も向上するため、1回あたりの露光に必要とする光量を減らせ、結果的にパターニングに要する時間短縮を図ることができ、ウェハ処理のスループットを向上させることができるとしており、同社では、配線層が上層に進むほど線幅が広くなるので、すべての配線層をEUVで露光する必要はないことから、従来のEUV露光装置とTWINSCAN EXE:5000をほかのリソグラフィプロセスとも併せて使用していく予定だとしており、この取り組みは2025年のIntel 18Aの製品実証から始められ、Intel 14Aの生産に向けて継続して行われていく予定で、これにより最先端プロセスにおける高いパフォーマンスとコストの最適化を図っていくとしている。

なお、Intelではすでに1時間あたり200枚以上のスループットを備えたASMLの次世代高NA EUV露光装置「TWINSCAN EXE:5200B」の取得も予定しており、今回のTWINSCAN EXE:5000に続いて、こちらも業界初の導入となる見込みだという。

  • TWINSCAN EXE:5000
  • TWINSCAN EXE:5000
  • TWINSCAN EXE:5000
  • TWINSCAN EXE:5000
  • TWINSCAN EXE:5000
  • 半導体製造装置としてはかなり巨大な部類に入る「TWINSCAN EXE:5000」。1台あたりの重量は150トンを超えているという。搬入までの道のりは、250個のクレート(木箱)で梱包、43個の貨物コンテナに分割され、シアトルから20台のトラックで運び込まれたという (C)Intel