ユニバーサルロボット(UR)およびオリエンタルモーターは4月15日、オリエンタルモーターの中空ロータリーアクチュエータ「DG IIシリーズ」が、URが検証ならびに認定を行った上で、URのロボットにつなげて利用できるプラットフォーム「UR+製品」としての認証を取得したことを発表した。
UR+製品は、電気的および機械的なインタフェースをURの仕様に準拠させたもので、これによりUR+製品のユーザーインタフェース(UI)が、URの協働ロボットのティーチペンダント上のグラフィックスUI(GUI)である「PolyScope」にアドオンされ、外部PCなどを用いなくても協働ロボットにインテグレーションすることを可能とする仕組み。ユーザーはこれを活用することで、URの協働ロボットの導入ならびに自動化の障壁を下げることが可能になる。
UR+製品パートナーとしては、2024年4月時点でデベロッパーとして329社が参加し、エンドエフェクタ、ビジョン、センサ、ソフトウェア、システムなどといったUR+認定製品は2024年3月時点で489製品に達している。今回、UR+認証を取得したオリエンタルモーターは、日本の開発メーカーとしては19社目。協働ロボットに取り付けるのではなく、外部軸となる第7軸を初めて日本メーカーとして提供することとなる。
DG IIシリーズは現在、大きく取付角寸法と回転テーブルに対するモーターの向き(縦方向/横方向)の違いで5製品が展開されており、いずれも小型のバッテリレスの機械式アブソリュートセンサ(ABZOセンサ)を搭載することで、モーターの位置情報を電源が入ってない状態でも機械的に管理することが可能なほか、大口径の中空穴を活用することで、内部にケーブルや配管などを通すことができ、省スペース化、配線工数の削減などを図ることができるといった特長を有している。
今回のUR+製品認証の取得により、従来必要となっていたDG IIの動作制御のためのドライバ(AZシリーズminiドライバEthernetタイプ「AZD-KREN」)とPLCの接続と、そのためのプログラミングが不要となり、プラグインソフトの「URCap」を用いて直接、ティーチペンダントを経由して協働ロボットとDG IIシリーズをワンストップで制御することが可能となる。
このため、オリエンタルモーターでは従来、DG IIシリーズを高剛性を必要とする用途、高精度位置決め用途、負荷慣性が変化する用途といった分野に提供してきたが、今回のUR+製品認証による協働ロボットとの組み合わせにより、それら以外の人手不足や夜間作業が必要な分野といった新規分野の開拓にもつなげたいとしている。
また、同社はDG IIシリーズ以外にもさまざまな電動アクチュエータ製品を有していることから、今回のDG IIシリーズのURのロボットへの適用によるユーザーからのさまざまなニーズの吸い上げを進めていくことで、さらなる世の中の自動化ニーズに対応できるような商品展開も積極的に考えていきたいとしており、機能の追加や商品の改善などと並行して、そうした取り組みを進めていくとしている。
一方のUR側も日本の顧客を中心に、新たに第7軸として回転の制御が可能となったことから、これまで参入が難しかった産業や、協働ロボットを使いたいが、使い勝手の問題で躊躇していた産業などでも活用が進むことを期待できるとしており、モノを搬送させるだけでなく、回転という新たな価値の活用を提案していくことで、新規層の取り込みなどを図っていきたいとしている。