ユニバーサルロボット(UR)は2月7日、ハイオスが開発・製造する産業用電動ドライバー「BLF/PGFシリーズ」を、URの協働ロボットの周辺機器プラットフォーム「UR+」製品として認証したことを発表した。

  • ユニバーサルロボットの協働ロボットと、UR+認証を取得したハイオスの電動ドライバー「BLFQ-5000」

    ユニバーサルロボットの協働ロボットと、UR+認証を取得したハイオスの電動ドライバー「BLF-5000」

UR+は、URのロボットとプラグ&プレイで使える周辺機器プラットフォーム。協働ロボットの導入や自動化に対するハードルを引き下げるための取り組みとしてスタートしたもので、UR+認証を取得したハードウェアを活用することで、高度なシステムインテグレーションや専門技術の必要性の軽減などを図ることができるようになるという特徴がある。すでに世界で310社以上のデベロッパーが認証品の開発、提供を行っており、その認定製品は410を超えるという。日本でもパートナーシップの拡充が進んでおり、今回のハイオスは日本では12社目の認証企業で、認証製品としては17品目になるという。

  • UR+の目的と主な認証パートナー
  • UR+の目的と主な認証パートナー
  • UR+の目的と主な認証パートナー

そんなハイオスのBLF/PGFシリーズは、メカニカルクラッチとブラシレスモーターを採用した自動機用ドライバーで、安定したトルク精度で、均一なネジ締め品質を提供する産業用電動ドライバーとして販売されてきたもので、データ出力機能も搭載しており、ネジ締め結果の記録や、正しく締まったかどうかの合否判定などを行うことも可能。今回、ベースはそのままに、URの協働ロボットに適応させたことでUR+の認証を取得したとする。

出力トルク範囲は、BLFシリーズが0.03-2.5Nm、PGFシリーズが0.2-2.8Nmで、液晶ディスプレイなどの電子機器や家電製品のほか、カーナビやヘッドライトといった車載製品のネジ締めにも対応するとしている。

  • BLFシリーズ
  • PGFシリーズ
  • PGFシリーズ
  • BLFシリーズならびにPGFシリーズの概要

今回のUR+製品認証により、電動ドライバーの設定もURロボットのティーチペンダントを介して行うことが可能になったほか、URロボット内蔵の力覚センサの活用によって、人が押し付けたようなネジ締めを実現できるようになり、強すぎる押しつけによるネジや対象物の破壊や、弱い押し付けによる締め付け不足やネジと工具先端が離れるといった不具合を防ぐことも可能となるという。 ハイオスでは、ターゲット市場を電装部品や自動車部品、空圧機器などとしており、現在、人手を介して作業しているネジ締めの協働ロボットによる代替を提案していくとするほか、すでに同社の電動ドライバーを導入している企業がURロボットを購入して、購入済みのBLFもしくはPGFシリーズを対応させたいといったニーズなどにも柔軟に対応していきたいとしている。

また、ほかの既存製品や開発中の製品などもUR+の認証取得に向けた取り組みを進めていくとしているほか、電動ドライバーを効率よく使えるようにするネジ自動供給器などの周辺機器やネジそのものなども提供していきたいとしている。

なお、ハイオスでは初年度100台の販売を目指すとしており、自社としての取り組みのほか、URと共同での販売促進活動なども行っていくとしている。

ユニバーサルロボットのUR+認証を取得したハイオスの電動ドライバー「BLF-5000(正しくはBLFQ-5000)」のデモの様子