STマイクロエレクトロニクスは4月3日、同社のハイパフォーマンス32ビットマイコン「STM32F3」およびエッジAI開発ツール「STM32Cube.AI」がパナソニック サイクルテック社(パナソニック社)の通学用電動アシスト自転車「ティモ・A」に採用されたことを発表した。
ティモ・Aでは、モータの回転数やスピードセンサの情報をもとにAIでタイヤの空気圧を推定し、空気圧センサを用いずに空気入れタイミングの目安を液晶スイッチに表示するAI機能を実装。STでは、STM32Cube.AIを活用することにより、STM32F3の内蔵メモリのみでこのエッジAI機能を実現したと説明している。
STM32F3は、Arm Cortex-M4(最大動作周波数72MHz)をベースに、128KBのFlashメモリ、モータ制御にも対応するアナログ/デジタルペリフェラルなどを搭載したSTM32マイコンシリーズの上位製品群で、空気入れタイミングを知らせる機能のほか、電動アシスト量制御やモータ制御も担当しているという。
一方のSTM32Cube.AIは、AI機能の開発全体を通じて、ニューラルネットワーク(NN)モデルのサイズ縮小や、メモリ割当ての最適化を可能にする同社が無料で提供するエッジAI開発ツール。一般的なAIフレームワークによる学習済みNNモデルをSTM32マイコン用コードに変換および最適化することを可能とするもので、限られたマイコンの内蔵FlashメモリへとNNモデルの軽量化を可能とする。
なお、STではこのSTM32Cube.AIに加え、機械学習ライブラリ自動生成ツール「NanoEdgeAI Studio」なども提供しており、これらのツールは近々提供開始を予定している無償の開発ソフトウェア & ツール統合セット「ST Edge AI Sutie」にも含まれる予定だとしている。