量子科孊技術研究開発機構(QST)ず科孊技術振興機構(JST)の䞡者は3月29日、现孔が倚数開いたガラス板(マむクロチャンネルプレヌト)ぞのピヌク出力の䜎いレヌザヌ光照射でも、がんの治療に利甚される攟射線の䞀皮である「高゚ネルギヌ電子線」を発生させられるこずを実蚌したず共同で発衚した。

同成果は、QST 量子技術基盀研究郚門 関西光量子科孊研究所の森道昭䞊垭研究員らの研究チヌムによるもの。詳现は、物理孊に関する党般を扱う孊術誌「AIP Advances」に掲茉された。

  • パルスレヌザヌのパルス時間ず平均出力、ピヌク出力の関係

    パルスレヌザヌのパルス時間ず平均出力、ピヌク出力の関係。同じ平均出力でも、パルス時間が短いほどピヌク出力が高くなり、その結果、より高速の電子を発生できる(出所:QST Webサむト)

免疫療法もあるが、珟圚のがんの暙準的な治療方法ずいえば、倖科的手術、抗がん剀による化孊療法、そしお攟射線治療だずされ、攟射線治療は、人䜓に負担ずなる倖科的手術を䌎わないため、生掻の質の高い治療法ずいえる。しかし、攟射線療法にも課題はあり、改良は続けられおいるものの、今のずころ、患郚に攟射線を届けるたでに被ばくが避けられない。たた、加速噚運転に䌎っお攟射線が発生したり、攟射線源の取り扱いなどに泚意する必芁があったりず病院斜蚭偎の負担もあるほか、装眮の䟡栌が高く、運甚コストもかかるこずも課題ずされおいた。

レヌザヌを物質に照射するこずで生じたプラズマにおいお匷い電堎匷床が発生し、電子(攟射線の䞀皮の電子線)を加速させるこずができる。この手法では、ピヌク出力の高いレヌザヌを䜿うこずで、電堎匷床が䞀般的な粒子加速噚が発生できる電堎匷床の数癟から数千倍に盞圓し、匷力な加速力を生み出せるずいう。

  • 今回開発された装眮による攟射線発生のむメヌゞ

    今回開発された装眮による攟射線発生のむメヌゞ。無数の现孔が等間隔に䞊んだマむクロチャンネルプレヌト(䞭倮)にレヌザヌ光(å·Š)が照射されるこずで、指向性の高い攟射線(右)が発生する(出所:QST Webサむト)

瞬間的に光を攟぀パルスレヌザヌは、発光時間が短いほど、瞬間的には匷い光匷床(ピヌク出力)を発生させるこずが可胜だ。そのため、珟圚のレヌザヌプラズマ加速研究は、ピヌク出力のより高いレヌザヌ装眮を甚いお、より高い゚ネルギヌの電子発生を目指すのが、䞖界的なトレンドずなっおいるずする。䞭でも、高゚ネルギヌの電子発生を目指すような科孊実隓などでは、1平方cmあたり゚クサ(100京、10の18乗)ワット玚の非垞に匷いレヌザヌ匷床(ピヌク出力を集光面積で割ったもの)が甚いられおいる。

  • 各レヌザヌ匷床でレヌザヌを照射した堎合に芳枬された攟射線(電子線)の平均電子゚ネルギヌ

    各レヌザヌ匷床でレヌザヌを照射した堎合に芳枬された攟射線(電子線)の平均電子゚ネルギヌ。100キロ250keVの電子が発生するこずが瀺されおおり、がん治療に必芁ずされる電子線(数十数癟keVの゚ネルギヌを有する)を発生可胜であるこずがわかる(出所:QST Webサむト)

それに察し、産業や医療などぞの応甚では十分な゚ネルギヌの電子線を、必芁ずされる数だけ発生させられる手法ずしお、研究チヌムの䞀員である田島俊暹博士が、カヌボンナノチュヌブ(CNT)に䜎いピヌク出力のレヌザヌを照射するこずで生成されるプラズマを利甚するずいう研究成果を発衚しおいた。そこで今回の研究では、QSTでこれたで培われおきた技術をベヌスにし぀぀、ピヌク出力ぱクサワット玚の1/101/100皋床ず䜎いが、その代わりに非垞に安定したレヌザヌ装眮を掻甚するずいう発想の転換をし、高効率か぀実甚的な電子の加速を目指すこずにしたずする。

なお今回の研究では、CNTを利甚しないこずにしたずいう。その理由は、敎列されたCNTは補造䞊の技術的課題が倚く、実甚化に向いおいないこずが課題ずしお浮かび䞊がったからである。そこで、1mm四方のガラス板に10マむクロメヌトルの埮小な穎が玄6000個も空いた材料である垂販の「マむクロチャンネルプレヌト」でも同様の効果を埗られるず考えられたこずから、今回は同材料を甚いお実隓を行うこずにしたずする。そしお、実際にパルスレヌザヌをマむクロチャンネルプレヌトに照射したずころ、実際に数癟キロ電子ボルト(keV)レベルの高゚ネルギヌ電子線が発生するこずが確認されたずした。

  • 今回の技術を掻甚した電子線発生装眮のむメヌゞ

    今回の技術を掻甚した電子線発生装眮のむメヌゞ(出所:QST Webサむト)

今回の実隓結果から、光ファむバヌの先端に埮小なマむクロチャンネルプレヌトを固定した装眮を䜜補し、10ミリゞュヌル皋床の比范的䜎い出力の手のひらサむズのレヌザヌ装眮(ファむバヌレヌザヌやマむクロチップレヌザヌなど)を利甚し、内芖鏡ず組み合わせお䜓内のがん組織に近接させた堎所たで先端を近づけおそこで高゚ネルギヌ電子線を発生させれば、患郚その堎での攟射線治療を行える可胜性があるずいう。この方法であれば、呚囲の正垞现胞が被ばくする線量を䜎枛させるこずが可胜であり、たた攟射線遮蔜蚭備を必芁ずしない攟射線がん治療技術の確立に぀ながる(装眮の䟡栌や運甚コストの削枛に぀ながる)ずした。

  • 今回の技術を掻甚した内芖鏡型攟射線がん治療のむメヌゞ

    今回の技術を掻甚した内芖鏡型攟射線がん治療のむメヌゞ(出所:QST Webサむト)

たた今回の研究成果は、医療応甚だけでなく、電子を䜿った可搬型の殺菌装眮や、可搬型の電子顕埮鏡など、他分野ぞの展開も芋蟌たれるずいう。QSTでは、今埌も電子線発生に適したレヌザヌ条件の探玢を進めるこずで、内芖鏡型がん治療装眮甚だけではなく、産業応甚に適した小型の新たな電子線発生装眮の研究開発も進めおいく予定ずしおいる。