2020年12月19日のオープン以降、約3年と4か月にわかって175万人を超える来場者を記録した神奈川県・横浜市の山下ふ頭で稼働してきた「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA(GFY)」が2024年3月31日に運営を終了した。最終日となった3月31日は16時で通常営業を終了。同日19時より、約1500名(関係者含む)の抽選当選者を対象としたフィナーレイベント「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA GRAND FINALE ~To the New Stage~」が開催された。
当初は2022年までの予定だったGFYだが、2回の開催延長が決定し、ここまで公開が続けられてきた。GFYに設置されている等身大ガンダム(RX-78F00 ガンダム)は、横浜で発掘されたパーツを組み合わせて起動実験を行っているというコンセプトでさまざまな演出がなされてきた。フィナーレイベントでは、この最終起動実験が行われるという形で開催された。
イベントは3年4か月を振り返るダイジェスト映像の放送からスタート。その後、GUNDAM GLOBAL CHALLENGEのテクニカルディレクターを務める石井啓範氏、同クリエィティブディレクターを務める川原正毅氏、同システムディレクターを務める吉崎航氏の3人と、ゲストとしてメディアアーティストの落合陽一氏によるトークセッション、そして機動戦士ガンダムの原作者で総監督を務める富野由悠季氏が最後の起動実験を前に挨拶を実施。富野氏は、放送開始から45年の間に、いろいろあったことに触れつつ、ガンダムという存在がアニメや漫画、ノベライズのみならず、「ガンプラという存在が文化的な拡大を持って展開するという要素を社会にもたらした」と表現。そうしたガンダムという社会への広がりもあり、「大仏のような(巨大な)造形を建設することができて、工学的な問題を実際に、現実的に実験することができる機会を得られた。本当にいい経験をさせていただいた。具体的な学びというものがあったという意味では本当に意義のあるイベントだった」と、このイベントで得た経験に触れたほか、GFYという場所を実現するために協力してくれた関係各位、各機関への感謝、ならびにGFYに関わってくれたスタッフへの感謝、そしてGFYに足を運んでくれたすべての来場者、そしてイベント視聴者に対しての感謝を述べた。
最後の起動実験
RX-78F00 ガンダムの最後の起動実験は大きく分けて3部構成で行われた。RX-78F00 ガンダムにはオリジナルAIというものが搭載されているのだが、このオリジナルAIこそが、サイコフレームに宿ったRX-78ガンダムのパイロットであるアムロ・レイの記憶であるという過去の演出を踏まえたもので、今回の起動を最後にF00が永い眠りにつくことをパイロットに伝えつつ機体が起動。LUNA SEAによる「BEYOND THE TIME 〜メビウスの宇宙を越えて〜」(TM NETWORKのカバー)をバックに、盛大な花火とドローンによるファーストガンダムをモチーフとしたさまざまなシーンを再現。
その後、「機動戦士ガンダム 水星の魔女」のオープニング曲であるYOASOBIの「祝福」とともに花火とドローンによるスレッタ・マーキュリーやミオリネ・レンブラン、スレッタの搭乗機ガンダム・エアリアルなどの表現を経て、劇場版の「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の主題歌となる西川貴教 with t.komuroによる「FREEDOM」とともに、ドローンによるキラ・ヤマトやラクス・クラインなどの描画、そしてLUNA SEAの「THE BEYOND」(「機動戦士ガンダム40周年プロジェクト」の記念テーマ曲)をバックに、花火ともにドローンでガンダム放送開始45周年を祝うメッセージやすべてのガンダムを愛する人たちに向けたであろう「Thank you」の文字などが空に描かれた。
なお、富野氏は、「ガンダムには帰るところがある」としつつ、「ネクストというものを開拓してくれるのがガンダムシリーズであることを確信している」とし、今後のガンダムシリーズに対しても、引き続き応援してもらいたいとすべてのガンダムファンにメッセージを送ってくれた。
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