富士フイルムシステムサービスは3月28日、住民票の写しや戸籍証明書などの各種証明書を郵送で請求する際の手数料をキャッシュレスで決済できる「郵送請求キャッシュレスサービス」を、4月1日より提供開始することを発表した。

  • 「郵送請求キャッシュレスサービス」を利用した郵送請求の流れ

    「郵送請求キャッシュレスサービス」を利用した郵送請求の流れ。手数料の支払いをキャッシュレス化することで、申請者は定額小為替の購入が不要となり、自治体職員は支払い情報をシステム上で確認できる

マイナンバーカードを持っていない住民や第三者が証明書を入手する場合や、法人・司法書士・行政書士などが第三者の証明書を入手する場合、自治体窓口や郵送で請求する。その際、手数料を支払うために定額小為替を事前購入した上で必要書類とともに対象自治体へ送付する必要があり、コストや手間がかかる。また、海外在住者にとっては定額小為替を入手することが困難である。

そこで富士フイルムシステムサービスは、手数料をキャッシュレスで決済可能で、定額小為替を必要としない郵送請求を実現する仕組みを構築した。このシステムを2023年10月から合計14の自治体にトライアル版として提供し、提供先の一つである墨田区では、郵送請求に係る時間を約40%削減できることを確認したという。

今回、トライアル版から正式版へ移行し、海外からの郵送請求にも対応した「郵送請求キャッシュレスサービス」の提供を開始する。なお、三重県志摩市と高知県大豊町は4月1日よりこのサービスを利用予定だという。富士フイルムシステムサービスは、このサービスを5年間で350自治体への導入を目指すという。