ZMP、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)、フューチュレック、博報堂の4社は、ロボットと生活者の共生を目指す「Robo-Village」プロジェクトに取り組んでいる。4社はプロジェクトの一環として、アーバンドックららぽーと豊洲(東京都 江東区)において、ZMPの自動運転ロボット技術とNTT Comのロボット運用技術、フューチュレックのXRコンテンツ技術を組み合わせたナイトサファリイベントを実施する。
イベント期間は3月15日から24日まで。XR(ARやVRなどの技術の総称)で動物たちを間近で楽しめるライド型のナイトサファリパーク「TOKYO NIGHT SAFARI(トウキョウ ナイト サファリ)」の事業検証を実施中だ。体験料金は1回500円。なお、チケット発売開始から24時間経たずに約100枠が完売したそうだ。このほど、報道機関向けにイベント体験の機会が与えられたので参加してきたので、その様子をお届けしたい。
夜の豊洲でキリンに出会おう
参加者はMR(Mixed Reality:複合現実)ゴーグルを掛け、自動運転歩行速モビリティ「RakuRo」に乗車してコースを1周する。ゴーグル越しに周囲を見回すと、現実の風景にさまざまな動物の映像が重なって見える。
まず、RakuRoに乗車してしばらく進むと、チュートリアルの看板が現れる。ここではMRゴーグルを使って動物の映像を見る方法が解説される。以降もいくつかの定点に設置される看板を見ると、さまざまな動物が浮かび上がる。
チュートリアルからしばらく進むと、「NO ENTRY」の文字が。しかし、モビリティはその先へと進む。
他にもライオンやウサギ、ワニなど、数多くの動物を夜の豊洲で楽しめる。装着するMRゴーグルはスピーカーも備えているため、ライオンが真横で吠えているような臨場感を体験可能だ。
XRで「推し活」や「地域創生」も
イベントの企画を担当した博報堂の吉田啓一氏によると、同イベントはナイトタイムエコノミーの活性化に加えて、公園など公共資産の利活用、防犯や治安の向上などを狙ったものだという。
「MRゴーグルを装着して野外を歩くイベントは危険が伴うため、自動運転車両との組み合わせを考えた。XRならではの体験として、キリンの脚の下をくぐったり、隣でライオンが吠えたりと、普段の動物園とは違う体験も提供できるよう心掛けた」とも、同氏はコメントしていた。
「Robo-Village」プロジェクトは今後、都市開発のデベロッパーと共同で今回のような都市型のイベントを実施するのみならず、地方自治体と共に地方創生イベントの共同開催なども視野に入れた検討を開始するそうだ。また、NTT Comが手掛ける自動走行ロボット管制サービス「RobiCo」との連携も検討する。
吉田氏によると、今後は各社が持つIPなどと連携して、XRで"推し"のキャラクターと一緒に街を歩くといったサービスなども考えられるという。推しキャラクターとアニメのモデルになった街並みを聖地巡礼できる日が来るかもしれない。現実の豊洲を一緒に歩きたいキャラクターがいる筆者としては、一日でも早いサービス開発を待つばかりだ。