都城市と、電通など国内電通グループ5社および事業パートナー7社は2月26日、各者共同で都城市スマートシティ構想の第1弾としてスマートシティ型データ連携基盤を構築し、同データ連携基盤上に公開する市民ポータル・サイトである「スマイルみやこんじょ」を通じて、認知症予防を図るため、健康増進・生涯学習をサポートするサービスを提供開始した。
健康増進・生涯学習をサポートするサービス
都城市は「市民の笑顔が広がる 南九州のリーディングシティ」の実現に向けて、「誰もが将来に対する夢と希望を持ち、笑顔で暮らせる」街作りに取り組んでいるという。
今回、同市の方針に基づき、健康増進情報の提供と共に市民の誰もが興味に応じて学びの場を得られるという「スマイルみやこんじょ」を新たなデジタル・サービスとして構築した。
同サービスは、政府のデジタル田園都市国家構想とも呼応するという、市民の幸福度(ウェル・ビーイング)の長期的な維持・向上を目指したとのこと。
「スマイルみやこんじょ」の特徴
同ポータル・サイトは、1)マイナンバーカードと紐付けた「都城ID」によるログイン認証。2)市民個々に合ったサービスのレコメンドと専門家の監修、3)オプトイン/オプトアウト(同意・不同意)機能の提供、といった特徴を持つ。
なお同ポータル・サイトでは、忙しい毎日でも隙間時間で気軽に利用できような、脳トレ、運動、ビジネス・趣味・教養講座などの健康増進・生涯学習をサポートするサービスを用意している。
具体的には、1)短時間でできるゲーム6種類で構成する、記憶力、注意力、予測力などの認知機能を鍛える脳のトレーニングである「みやこんじょ脳トレ」(NeUが提供)、2)ビジネスから教養まで幅広い講座を受講できるというオンライン動画学習サービスである「gacco」(ドコモgaccoが提供)、3)ChatGPTを使用して表情豊かなCGキャラクターと対話できるという「キャラトーカーAI」(電通、電通クリエーティブキューブ、ギフトが提供)、4)容易にできる運動を集めた、健康維持・向上につながるというトレーニング・プログラムである「健幸TV」(京セラみらいエンビジョンが提供)、5)ビジネス書を始め、新刊やベストセラー、名著などの要約を1冊10分で楽しめるという「flier」(フライヤーが提供)の、各サービスを提供する。
都市OSソリューションを用いて構築
同ポータル・サイトは、電通総研が提供する都市OSソリューションである「CIVILIOS」(シビリオス)を用いて構築した。
同ソリューションは、内閣府の「スマートシティリファレンスアーキテクチャ」に準拠し、多能なサービスを柔軟に提供するための各種機能を備えているという。
都城市では、同ポータル・サイトの利用に必要なユーザー情報を取得するマイナポータルAPI連携機能や、情報取得の際に行うユーザー同意機能、個々のユーザーに適した講座の推薦機能、都城市が市民の利用状況を把握できるダッシュボード機能などを利用しているとのこと。
また、同ソリューションにxIDが提供するマイナンバーカードに特化したデジタルIDソリューションである「xID」を搭載することで、マイナンバーカードに紐付いた都城IDの発行や同ポータル・サイトへのログインを実現しているという。
都城市は今後、市民が同ポータル・サイトを通じて、行政や民間が提供する新たなスマートシティ・サービスを利用できるように、提供サービスの拡大を検討している。 これにより、市民の利便性向上・データの利活用による地域の活性化に貢献すると共に、さらなる市民個々の幸福度向上に繋げていくとしている。
なお、今回参画した国内電通グループの企業は、電通、イグニション・ポイント、電通九州、電通総研、電通クリエーティブキューブの5社。事業パートナーは、xID、NeU、ドコモgacco、ギフト、京セラみらいエンビジョン、フライヤー、東京海上ディーアールの7社。