Z世代(GenZ)がじわじわと職場に入りはじめ、市場でも存在感を増している。Z世代に限らず、世代により人気のブランドは異なるが、米国のZ世代を対象としたブランド好感度調査はデジタルネイティブらしい結果となった。

Z世代が好感を抱くブランドはデジタル企業

Z世代は一般的に1997年から2012年に生まれた人を指す。iPhone誕生の2007年、その後のモバイルアプリとソーシャルサービスの台頭が含まれていることから、デジタルネイティブと言われる世代だ。

今年12歳~27歳になる世代だが、Morning Consultが発表した「Gen Z's Favorite Brands」は、Z世代の中でも成人に達している18~25歳を対象に、好きなブランドを調査した。データセットは2022年5月~8月に収集されており、「非常に」「やや」好意的と評価した人を「好感度」とした。

人気のブランドトップは「YouTube」で好感度は86.23%、以下、「Google」(好感度:83.87%)、「Netflix」(同82.18%)、「Amazon」(80.28%)が続いている。いずれもデジタル企業といって良いだろう。

それ以降は、Marsのチョコレートブランド「M&M's」(5位、好感度79.76%)、Fritolayのチップスブランド「Doritos」(8位、同79.32%)、Nestleのチョコレートブランド「Kit Kat」(9位、同78.96%)、Mondelēzのクッキーブランド「Oreo」(10位、同78.57%)と製菓・食品が多く入った。

さらに「Walmart」(6位、同79.76%)、「Target」(7位、同79.66%)と小売も2つランクインしている。全体として食品が多いが、それ以外のトップ20を見ると「Nike」が好感度78.43%で12位、「Apple」が同75.92%で20位に付けている。

  • 米国のZ世代に人気のブランドランキング

    米国のZ世代に人気のブランドランキング

好感度の差が大きい「TikTok」

全体と比較して好感度の差が大きいブランドも紹介している。最も平均値と差が大きかったのは「TikTok」だ。Z世代の好感度は68.7%で、これは全体より30.08ポイント多い。

続いて「Discort」(Z世代の好感度は平均より28.66ポイント高)、「Snapchat」(同28.47ポイント高)、「Instagram」(同24.85ポイント高)、「Spotify」(同23.8ポイント高)など、ソーシャルを中心にデジタルサービスが並んだ。

ファストファッション「Shein」(23.08ポイント高)、ゲーム分野は「Epic Games」(同17.05ポイント高)と「PlayStation」(同15.89ポイント高)もある。

男女別のランキングは?

男女別のランキングも出している。男女ともにトップは「YouTube」でZ世代の男性83.16%、女性は89.25%が好感度が高い。デジタルブランドが上位に並んだのは女性で「Google」が2位、「Netflix」が3位、「Amazon」が7位にランクインしている。

男性の2位はスポーツ飲料の「Gatorade」、3位が「PlayStation」となり、デジタルでは4位の「Google」、全体ではトップ20に入っていない「Microsoft」が7位に入っている。

全体との差が大きいブランドは、男性は「SpaceX」「Logitech」など。女性「Ulta Beauty」「e.l.f」「CoverGirl」「Sephora」「Maybelline」とコスメブランドが上位5を占めている。

なお、米国のこの世代はメンタルヘルスの状態がそれほど良くはないというレポートもある。Gallup and Walton Family Foundationの調査によると、孤独、うつ病、自殺願望の割合が高いとのこと。その一因として、コロナ禍により対面で会うよりもオンラインで交流することが多いことを挙げている。