スマホ依存、ソーシャル中毒など、デジタル機器/サービスの若者への影響が言われて久しい。米国のティーンネージャーはどのようなサービスをどのぐらい使っているのか、親の年収との関係は?
米国のティーンに最も使われるソーシャルメディア
9月26日から約1カ月間、約1500人の米国の13~17歳(とその親)を対象に、ソーシャルメディアの利用について調べたPew Research Centerが12月11日に「Teens, Social Media and Technology 2023」に発表した。
使っているオンラインプラットフォーム(複数回答可)は、「YouTube」が93%でトップとなった。続いて「TikTok」(63%)、「Snapchat」(60%)、「Instagram」(59%)、「Facebook」(33%)と続く。YouTubeは圧倒的な1位だが、昨年の95%から2ポイント減少、TikTokも4ポイント減となった。一方、Snapchatは1ポイントアップして、Instagramを超えて3位となった。
今年初登場したのは「Discord」(28%)、「BeReal」(13%)。Discordはゲーム愛好家を中心に人気のコミュニケーションサービス、BeRealは通知が来た時にその場で加工なし(フィルターが使えない)の写真を投稿する新しいアプローチのSNS。
長期トレンドとして、かつてソーシャルメディアの代名詞だった2大サービスFacebookと「Twitter(現在はX)」における若年ユーザー離れがある。2014~2015年の調査では71%だったFacebookは33%となった。
SNSの利用頻度は?
上位5つ(YouTube、TikTok、Snapchat、Instagram、Facebook)について利用頻度をたずねたところ、「毎日使う」が最も多かったのはYouTubeで、71%が毎日アクセスしていることがわかった。内訳は「ほぼコンスタントに」利用している人は16%、「1日数回」は38%、「ほぼ1日1回」は17%だった。
残る4つのソーシャルメディアにおける「毎日使う」の比率はTikTokが58%(うち「ほぼコンスタントに」は17%)、Snapchatは51%(同14%)、Instagramは47%(同8%)、Facebookは19%(同3%)となっている。
上記5サービスに「ほぼコンスタントに」アクセスするティーンを性別で見るとYouTubeは男子18%/女子15%、TikTokは男子12%/女子22%、Snapchatは男子12%/女子17%。Instagramは男子7%/女子10%など、YouTubeを除くと女子の方が頻繁に使っている実態が明らかになった。
「ほぼコンスタントに」オンラインであるティーンは、増加傾向にある。2014-2015年は24%だったのに対し、2022年と2023年はともに46%と22ポイントアップ、「週数回かそれ以下」は2014-2015年は8%だったのが、2022年、2023年ともに3%と5ポイント減少した。
オンラインにアクセスするデバイスは、「スマートフォン」が95%でトップ、「デスクトップ/ラップトップ」(90%)「ゲーム機」(83%)「タブレット」(65%)の順となった。
親の年収との相関関係
親の年収については、スマートフォンは性別、年齢、人種、親の年収に関係なく普及しているものの、コンピュータへのアクセスについては親の年収との相関関係が見られた。
家庭のコンピュータにアクセスできるというティーンは、年収3万ドル(約426万円)以下の世帯では72%、年収3万ドル~7万4999ドル(約426万円~1065万円)では87%、7万5000ドル(約1065万円)以上では94%となった。
タブレットの所有についても、親の年収と相関関係があるようだ。低所得の世帯では家庭にタブレットがあるというティーンの回答は57%、高所得の世帯では67%と報告している。