Space BDは1月31日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から日本人宇宙飛行士候補者への基礎訓練の一部である一般サバイバル技術訓練の企画競争の結果、事業者選定を受けたことを発表した。

今回の日本人宇宙飛行士候補者への訓練では、同社が人材育成・教育事業で実践してきたノウハウを活かす形で単なるサバイバル技術を習得するのみならず、身体的・精神的にストレス負荷の高い環境下でチームワーク・リーダーシップの発揮に向けた内容が計画されているという。

2023年2月に、諏訪理氏および米田あゆ氏の2名が宇宙飛行士候補者に選出されたが、2人は現在、宇宙飛行士認定に向けた基礎訓練を受けている最中で、その訓練項目の1つである一般サバイバル技術訓練は2024年以降に開始される予定となっている。Space BDでは、この一般サバイバル技術訓練について、全体企画・実施・評価をボーイスカウト日本連盟および陸上自衛隊の協力を得る形で行っていくとしており、訓練を通じてミッション時に起こりうる気候/気象条件下におけるサバイバル技術の習得を目指すとしている。

例えば野外訓練では、孤立した状況に置かれた際の優先的に行うべき行動の判断や、自然界に存在するものを活用したサバイバル実践などを予定しているとするほか、将来の国際宇宙探査ミッションを見据えた形でのミッション遂行能力(自己管理、コミュニケーション、状況認識、リーダーシップ、問題解決、チームワーク、マルチタスクなど)の向上・強化とともに、国際的チームの一員にふさわしい態度を涵養していく予定だとしている。

なお、Space BDの宇宙をテーマとした人材育成・教育事業は、これまで主に高校生向けの衛星追体験プログラムとして実践力・問いを立てる力・共創などへの気づきを得る実践的なワークショップや、高校生が主体となって衛星を開発し、打ち上げから運用までのプロセスを実体験する教育プログラムなどが実施されてきている。

  • 日本人宇宙飛行士候補者である諏訪理氏と米田あゆ氏

    Space BDの提供する一般サバイバル技術訓練を受ける予定となっている日本人宇宙飛行士候補者である諏訪理氏(左)と米田あゆ氏(右) (C)JAXA