トヨタテクニカルディベロップメント(TTDC)とソフトバンクは1月31日、畜産DX(デジタル・トランスフォーメーション)に関する共同開発契約を締結し、牛の給餌量と出荷時期の最適化を図る技術検証を実施中だと発表した。
AIで牛の成長の可視化
同検証は、カメラや温度・湿度・照度の環境センサにより、肥育牛の摂食の様子や牛の全体像などのデータを取得し、AI(人工知能)を利用して牛の個体識別、摂食状況把握、体重推定を行うことで、牛の成長の可視化を図り、牛の畜産農家の生産性向上につながる給餌量と出荷時期の最適化を目指すもの。
現在、畜産業を展開する愛媛県西予市のゆうぼくと宮崎県高原町の江田畜産の2拠点で技術検証を実施しているという。
各社の役割について
同検証においてゆうぼくと江田畜産は、実験環境の提供、データ解析結果に基づく肥育改善およびシステム改善の助言を担う。
なお、ゆうぼくはトライアングルエヒメの、江田畜産は農林水産省「令和5年度新事業創出・食品産業課題解決調査・実証等事業のうちフードテックビジネス実証事業」の、それぞれ実装となる。
ソフトバンクは、CG教師データを使用したAI/機械学習による画像解析から、個体識別と体重および摂食量の推定ロジックを作成する。
トヨタテクニカルディベロップメントは、計測環境構築(カメラ、環境センサ、クラウド)およびフィールドデータ取集とスクレイピング(抽出、加工)、検証結果に基づいた畜産DXサービスの開発を担当する。
今後は、これまで測定や把握が困難だった牛の成長に関するデータの取集・分析をAIやセンシングなどの技術で可能にし、より多くの畜産現場で簡単かつ手軽に利用できるソリューションを提供することで、食料安全保障と環境負荷問題解決への貢献を目指す。