堀場製作所は1月23日、一酸化炭素・二酸化硫黄・オゾン・窒素酸化物・炭化水素の濃度を、ナノレベルで高精度に連続測定する微量ガス分析計「AP-380シリーズ」を発売すると発表した。
同シリーズは、大気の環境モニタリングに加え、半導体・センサ・電子部品などの製造エリアにおける分子状汚染物質の監視や、ガス製造プロセス中の不純物の監視、自動車内の空気質検査など、さまざまな産業分野における分析ニーズに対応することが可能な超微量ガス分析計。
微量ガス測定市場は、各種産業プロセスで求められる低濃度ガス測定、ガス製造プロセスにおける品質管理を目的とした不純物質モニタリング、作業者の安全確保を目的としたガス漏れモニタリングなどさまざまな測定ニーズがあることから、今回同社はカスタマイズ性や操作性などに優れた同シリーズを開発、これを機に新市場へのアプリケーション提案を強化したいとしている。
同シリーズには、一酸化炭素用の「APMA-380」・二酸化硫黄用の「APSA-380」・オゾン用の「APOA-380」・窒素酸化物用の「APNA-380」・炭化水素用の「APHA-380」の5機種が用意されており、いずれもガス測定部に機能単位で設計して組み合わせるモジュール設計を採用することで、高いカスタマイズ性とダウンタイムの最小化を実現しているほか、従来のベンチトップ型、ラックマウント型、ウォールマウント型、装置内への組み込みなど、顧客のニーズに合わせた使用方法を提案できるようになり、メンテナンスや不具合時にも現場でモジュールを交換できるため装置のダウンタイムも削減することができるという。
また、ソフトウェアを最適化し、視認性や操作性を向上させたとするほか、フルリモート機能を備え、パソコンやスマートフォンなどさまざまなデバイスから遠隔操作ができるようにもしたことで、顧客が現場へ移動する回数の削減につながり、作業の効率化や働き方改革に寄与する点も挙げられるとする。
さらに、従来品比で最大20%の消費電力の抑制や最大15%の軽量化も実現したとするほか、LED光源やオゾン発生器など水銀フリーの部品を使用するなど環境負荷低減も追求。加えて、各種ガスをppmからppbまでのナノレベルの高精度測定かつ、測定できる濃度の範囲を従来製品から最大40倍に拡大したことで、ワイドレンジでの測定を可能としたとするほか、より高濃度のガス測定に対応するオプションとして希釈装置と組みあわせることも可能だとしている。
なお同社は、5年後の2028年にグローバルで年間3000台(AP-380シリーズ、分析測定部のモジュール含む)を目指すとしており、希望販売価格は機種(測定項目)・オプションにもよるが、250万円(税別)~としている。