SEMIは12月12日、12月13日より開催される国内最大級のエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2023」に関する事前説明会を開催。開催概要や見どころの紹介を行い、延べ来場者の見込み数を従来の6万人から7万人に引き上げたことを明らかにした。

世界の半導体産業から注目を集める日本

元々は半導体製造装置・材料産業に向けたイベントであった「SEMICON」だが、近年の半導体の適用分野の広がりや、社会的注目度の向上などから、単なる製造装置や材料に関する最新技術を紹介するスタンスから、半導体がどのように活用され、それがどういった未来を生み出すのか、といった半導体産業そのものの未来を映し出すことに軸足を向けるようになってきた。

そんなグローバルで展開されるSEMICONの1つとして日本で開催されるSEMICON Japanの今年のテーマは、「つかめ、未来を。つくれ、時代を。」。SEMICON Japan 2023推進委員会で推進委員長を務めるアドバンテストの アドバイザー 営業担当である阪本公哉氏は、「デジタルの力による社会の変革を推進するためにも半導体の重要性が高まっている」とし、今回のSEMICON Japanでは、半導体の今は当然のことながら、その先にある未来、新たな時代を感じられるイベントとなることを目指した取り組みを盛り込んでいることを強調したほか、半導体製造装置・材料サプライチェーンにおいて4割のシェアを有する日本は、SDGsや地政学的リスクが顕在化する世界において注目される地域であり、そうした世界からの期待に応えられる半導体人材の育成なども進めていくとした。

  • SEMICON Japan 2023のテーマは「つかめ、未来を。つくれ、時代を。」

    SEMICON Japan 2023のテーマは「つかめ、未来を。つくれ、時代を。」 (資料提供:SEMIジャパン、以下すべて同様)

活況を呈する半導体産業、来場見込み者数を引き上げ

近年の国内外における半導体に対する注目の高まりを裏付けるかのように、SEMICON Japan 2023では出展者数、出展小間数、出展国数いずれもが前回のSEMICON Japan 2022から大きく引き上げられている。具体的には、出展社数は前回の673社/団体(共同出展含む)から971社/団体(同)に、出展小間数は1677小間から2265小間に、出展国数も11国/地域から19国/地域となっており、延べ来場見込み人数も当初の見通しでは6万人(前回の述べ来場者数は51480人)から、7万人見込みへと引き上げたことをSEMIジャパン代表の浜島雅彦氏が明らかにした。

  • SEMICON Japan 2023の開催概要

    SEMICON Japan 2023では出展社数、小間数、参加国・地域数いずれもが大きく前回より増えた

小間数も増えたことから、会場となる東京ビッグサイトの利用面積も昨年の1万4306m2から1万9595m2へと拡張。東ホールを全館活用する規模となったという(前回は東ホール1-5までを利用)。

  • SEMICON Japan 2023の開催概要

    SEMICON Japan 2023の開催概要。来場者見込みは当初6万人としていたが、活況を受けて7万人に引き上げられた

  • 会場は東京ビッグサイトの東1-8ホールすべて

    会場は東京ビッグサイトの東1-8ホールすべて(昨年までカンファレンスやセミナーで利用していた会議棟は2023年12月から2024年8月まで大規模改修工事が行われている関係上、利用できないため、カンファレンスやセミナー関連も東ホールにて実施される)

また、新規出展企業は全世界から合計175社あり、その中でも従来の半導体製造装置や材料メーカーといった半導体製造にかかわる企業のみならず、新工場建設で欠かせないファシリティ(設備)関連メーカーや別産業から新規参入を目指すメーカーなども多数いるという。

  • 175社の新規出展企業の国・地域別内訳とトピックス

    175社の新規出展企業の国・地域別内訳とトピックス。日本以外からの出展も相当数にのぼる

オープニングイベントには西村経産大臣や半導体戦略推進議員連盟の甘利会長らも登壇

また、岸田首相のビデオメッセージや西村康稔 経済産業大臣の登壇が予定されているオープニングセレモニーや、自由民主党 衆議院議員で同党の経済安全保障推進本部 本部長ならびに半導体戦略推進議員連盟 会長を務める甘利明氏やRapidusの取締役会長でLSTCの理事長を務める東哲郎らが登壇するオープニングキーノートパネル、技術セミナー「STS(SEMIテクノロジーシンポジウム)」を始めとする恒例のカンファレンスのほか、会場内イベントやパビリオン、企画展示なども多数用意。主なものとしては、以下のようなものが予定されている。

  • 第2回 APCS(Advanced Packaging and Chiplet Summit」
  • 第7回 FLEX Japan 2023
  • 第6回 SEMI Smart Mobilityパビリオン
  • 第4回 量子コンピュータパビリオン
  • パワーエレクトロニクスパビリオン
  • 環境省パビリオン
  • 分解展示コーナー
  • 主なイベント内イベント

    主なイベント内イベント

さらに、あまりのさまざまな情報が集まるイベントとなっているため、どこをどう見たら良いかわからない人に向けて、SEMICON JapanのWebサイトでの施策となるが、4つの話題のトピックスに分けて、展示やセミナーの見どころを紹介する取り組みを今回は実施しているという。トピックスは「モビリティ」「データ+AI」「政策・戦略」「学生・若手応援」の4つで、SEMICON JapanのWebサイト上でそれぞれのトピックをクリックすると、それぞれのトピックに応じた見どころ(パビリオンやフォーラム、展示物など)を知ることができるので、どこをどう巡ったら良いのか悩んでいる人に活用してもらいたいと浜島氏は語っていた。

  • 「SEMICON活用ガイド」

    SEMICON Japan 2023のWebサイト内にある「SEMICON活用ガイド」のページに用意された「各分野の注目コンテンツ」。この「詳細はこちら」をクリックすると、それぞれのトピックスに沿った内容がどこにあるのかを知ることができるようになっている

なお、一部のセミナーは有料のものがあるほか、すでに事前申し込みで満席となっているものもあるので、その点については注意が必要である。