米Microsoftは12月11日、米国の労働総同盟・産別会議(AFL-CIO)とAIが労働者に与える影響について協議する提携を結んだことを発表した。情報の共有、労働者の視点を取り入れたAI開発、スキルなどについてオープンな対話を続けるという。AIについてテクノロジー企業と労働組合(労組)が提携するという点で初としている。
Microsoftによると、AFL-CIOとの提携は以下の3つの目標をベースとしてる。
- AI技術の動向について労働者およびリーダーと情報を共有する
- AI技術の開発において労働者の視点と専門知識を取り入れる
- 最前線で働く労働者の技術スキルとニーズを支援する公共政策の形成を支援する
AFL-CIOは約60の労組を代表する組織で、合計の組合員数は1250万人に及ぶ。AFL-CIOのプレジデント、Liz Shuler氏は「この提携は、AIおよび関連技術の開発、実装、規制において労働者が重要な役割を果たすということを再確認するもの」と述べている。
Microsoftは2022年6月に労働原則を発表しており、今回の提携にはAFL-CIOに加盟する組合による将来の労働者組織化のための中立的枠組みを提供するという両者の合意も含まれるという。
Microsoftの副会長 兼 プレジデントのBrad Smith氏は提携について「労働者の権利を尊重し、技術開発にあたって労働者のアドバイスから学び、AIの時代に不可欠になるスキルを人々に提供する」とコメントしている。