京都大学と堀場製作所は、未来社会の共創に向けた包括連携協定を締結。2023年10月20日にその連携内容などを説明する記者会見を行った。
今回締結された包括連携協定は、最先端かつ質の高い基礎研究を行う京都大学と、「はかる」という技術を強みとし、最先端の科学技術開発への貢献を目指す堀場製作所が、長期的な視点のもと、未来社会を見据えた連携を深めていき、その過程で新たな価値を創出していくことでさまざまな社会課題の解決につなげていこうというもの。
堀場製作所は創業期から京都大学と、「ソーダガラス液体材料」や「光学結晶」など、京都大学が持つ知見を活かし技術開発を行い社会実装してきたという長い年月をかけて培ってきた関係性がある。そうした深い縁(えにし)を踏まえ、科学技術や人材育成に対する方向性においても価値観が一致したことから今回の包括連携協定の締結に至ったとする。
今回の協定のもと、今後両者は短期的な目先の研究ではなく、長期的視野に立った将来の分析・計測・制御技術につながる研究シーズの創出を目指し、10年という期間の中で、研究費総額年間最大1億円をめどにした共創に取り組むとしており、その最初の取り組みとして、学内限定公募型共創研究「HONMAMON(ほんまもん) 共創研究」を創設。共創研究の中で長期的に有望な研究成果については、画期的な分析・計測・制御技術の実現とその社会実装をゴールに定めたテーマ設定型大型共同研究として、展開・推進させていくという。
なお、堀場製作所では、「HONMAMON共創研究」として共同研究テーマを公募することによって新たな分析・計測技術の発掘を行っていく中で、それが次世代技術の創出につながるように同社が展開する世界29の国と地域に広がる研究開発拠点と研究設備を活用した支援を行っていきたいとしているほか、共創による支援を通してグローバルに活躍できる若手研究者の人材育成も図っていくことで、次世代の分析・計測技術の創出と社会実装を目指したいともしている。