10月17日から20日まで、幕張メッセで開催されているCEATEC 2023。同展示会は毎年10月に開催されている総合展示会で、経済発展と社会課題の解決を両立する『Society 5.0』の実現を目指し、あらゆる産業・業種の人と技術・情報が集い、『共創』によって未来を描く」を開催趣旨に掲げているもの。
2023年は、アドバンスドテクノロジー、キーデバイス、パートナーズパーク、グローバル、スタートアップ&ユニバーシティエリアの計5つのエリアに分け、各ジャンルの最新のテクノロジーを展示している。
本稿では、5つのエリアの内、アドバンスドテクノロジーエリアに出展しているNECの「顔・虹彩マルチモーダル生体認証ソリューション」について紹介する。
NECの顔・虹彩マルチモーダル生体認証ソリューションは、高い認証精度を有する顔認証技術と、虹彩認証技術を組み合わせた非接触認証ソリューションだ。
複数の生体認証技術を用いることで、さまざまな利用環境において誰もが使いやすく、高いセキュリティ環境を提供することができるという。
同ソリューションの1番の特徴としては「誤認証率の低さ」が挙げられる。認証技術のベンチマークテストで世界1位となった顔認証技術と虹彩認証技術を採用しており、顔と左右の虹彩の3つの生体情報をNEC独自の技術を用いて照合しているため、誤認証率は100億分の1という高精度な認証を実現しているという。また、同ソリューションには、印刷物や写真による、なりすましを防ぐための検知機能も搭載されている。
また、ユーザーの身長に合わせて内蔵カメラをのぞき込むだけで自動でカメラの位置も調整してくれる仕様となっているため、スピーディーで利便性が高い認証を可能にしている。
身長に自動で調整してくれる機能により、一般利用者の利便性も向上しているが、特に車いすなどを利用する人であってもストレスを感じることなく入退場の手続きができるという面もあるそうだ。
加えて、同ソリューションは、「さまざまな利用条件でも認証が可能」という特徴も兼ね備えている。防護服や帽子、ヘルメット、ゴーグル、眼鏡、カラーコンタクトレンズ、マスク、手袋といった顔の印象を変える装着品があっても高い精度で人物を認証することができるのだという。また、これらの装着品以外にも薄暗い環境での利用も可能となっている。
そのため、高いセキュリティが求められるインフラ整備やデータセンターなどの重要施設での利用はもちろん、食品工場や医療現場といった衛生面から顔の大部分が覆われた人が多く入退場する環境での利用も実現するという。
また、これらのユースケースに加えて、大規模かつ厳格な認証が求められる店舗での決済など、顧客にとって身近な使い道にも今後は展開を想定している。将来的には顔認証と虹彩認証を活用した決済が実現する日もやって来るかもしれない。