台湾政府が、中国深圳市内で進められている3つのHuawei系半導体工場建設に関与しているとされる台湾企業4社の調査を開始したと、台湾メディアのDIGITIMES Asiaが報じている。
台湾の王美華 経済部長(日本の経済産業相に相当)は、台湾の報道陣に対し、関与しているとされる各社から出された疑惑を否定する説明を踏まえつつ、調査を開始することを決定したと述べたという。これら4社が中国大陸で行っているHuawei系半導体工場の建設への協力が、台湾政府が承認した事業内容と異なる場合、法律に基づき罰則を課す可能性があるという。
米国政府は過去数年にわたってHuaweiにさまざまな制裁を課してきたが、台湾政府はその初期からその動きを監視し、米国政府による規制について台湾企業への説明を行ってきたという。そのため台湾企業はHuaweiなどの企業に商品を供給する際、米国の規制に抵触しないよう慎重なアプローチをとるようになっていると言われている。また、台湾の半導体メーカーが使用している半導体製造やEDAソフトウェアの技術は主に米国からもたらされたものであり、台湾企業は関連する米国政府の規制を遵守しなければならないと台湾政府は行政指導を行ってきたともしている。
4社は今回の動向に対し、米国の輸出管理規制に違反しておらず、中国での投資と事業は台湾政府の政策と法律を遵守していると回答しているという。王氏は以前、中国に進出している台湾企業は主に廃水処理や環境保護などの半導体製造という意味では低いレイヤのプロジェクトに従事しており、米国政府が規制対象としている重要な技術には関与していないと述べていたが、台湾4社が中国での半導体工場建設を支援していると報道されたことを踏まえ、米国政府に対して厳格な調査を進める姿勢を見せる必要があるものと思われる。