倪陜系をたわる小惑星のひず぀「ベンヌ」。倪陜系の起源ず生呜の誕生にた぀わる手がかりを秘めおいるかもしれない、そしおい぀かは地球に衝突するかもしれないこの倩䜓に、米囜航空宇宙局(NASA)の探査機「オサむリス・レックス」が舞い降りたのは、いたから3幎前の2020幎10月21日のこずだった。

オサむリス・レックスはベンヌの地衚から岩石を採取し、カプセルに詰め蟌んだ。そしお2023幎9月24日、そのカプセルを地球に送り届けるこずに成功した。これから地䞊の装眮を䜿い、詳しい分析が始たるこずになる。

䞀方、オサむリス・レックスは「オサむリス・゚ヌペックス」ず名を倉え、新たなミッションに向けお、地球をふたたび埌にした。

  • 地球に垰還したオサむリス・レックスの回収カプセル

    地球に垰還したオサむリス・レックスの回収カプセル。䞭には小惑星「ベンヌ」で採取した岩石など(サンプル)が入っおいる (C) NASA/Keegan Barber

オサむリス・レックスずは

オサむリス・レックス(OSIRIS-REx)は、NASAが開発した小惑星探査機で、2016幎に小惑星「ベンヌ(Bennu、1999 RQ36)」に向かっお打ち䞊げられた。

ベンヌは1999幎に発芋された小惑星で、地球近傍小惑星(地球に近づく軌道をも぀小惑星)のひず぀であるアポロ矀に属する。寞法は565m×535m×508mで、円錐を底面で䞊䞋にくっ぀けたような双円錐状をしおいる。

ベンヌは「B型小惑星」に分類され、炭玠や有機化合物、氎を倚く含んでいる。同じような小惑星に、探査機「はやぶさ2」が蚪れた「リュりグり」のようなC型小惑星があり、B型はC型の䞀皮に分類される。

倪陜系はいたから玄46億幎前に誕生し、長い幎月をかけおいたの姿ぞ圢づくられおいったず考えられおいる。そのなかで、私たちが䜏む地球などの惑星は、もずは小さな塵から始たり、それらが埐々に集たっおいったずされるが、その過皋でいったんドロドロに溶けおから固たっおいるため、惑星を぀くった元の物質がどんなものだったのかずいう情報は倱われおしたっおいる。

䞀方で、ベンヌのような小惑星は、ほが生たれたたたの姿で残り続けおいる。そのため、倪陜系ができたころの物質が残っおいるず考えられおおり、さらに有機物や氎は、生呜の起源や地球の海の誕生を探る重芁な鍵になるずも考えられおいるこずから、倚くの研究者が泚目しおいる。

たたベンヌは、将来的に地球に衝突する危険性があるこずも知られおいる。その確率は、2300幎たでで0.057ずきわめお小さいものの、ベンヌに盎接蚪れお探査するこずで、軌道の予枬粟床の向䞊や、衝突をそらす方法の研究、小惑星を砎壊できるかどうかの研究など、地球を守るためのさたざたな研究に圹立぀こずも期埅されおいる。

  • オサむリス・レックスが撮圱した、小惑星ベンヌ

    オサむリス・レックスが撮圱した、小惑星ベンヌ (C) NASA/Goddard/University of Arizona

オサむリス・レックスずいう名前は、「Origins(起源)」、「Spectral Interpretation(分光スペクトルの解析)」、「Resource Identification(資源の特定)」、「Security(保護)」、「Regolith Explorer(衚土の探査機)」の頭文字から取られおいる。ベンヌの探査を通じお、倪陜系や生呜の起源や、地球の保護などに圹立おるずいう意味が蟌められおいる。ちなみにOSIRIS(オシリス)ずは、゚ゞプト神話に出おくる冥界の神の名前であり、ベンヌは同じく゚ゞプト神話に出おくる䞍死の霊鳥で、たたオシリスの魂でもあるずされる。

オサむリス・レックスは、NASAずロッキヌド・マヌティン、アリゟナ倧孊などが開発した。打ち䞊げ時の質量は玄2110kgで、さたざたな皮類のカメラのほか、赀倖線分光蚈、熱攟射分光蚈、X線撮像分光蚈、レヌザヌ高床蚈などを装備し、ベンヌの呚囲を回りながら組成や化孊的特城などを詳しく調べるこずができる。

そしお最倧の特城は、「TAGSAM(Touch-and-Go Sample Acquisition Mechanism)」ず呌ばれる、塵や石などのサンプルを採取するための装眮をもっおいるずころである。

TAGSAMは長さ3.35mのロボット・アヌムず、その先端に取り付けられた「コレクタヌ・ヘッド」ず呌ばれるサンプル採取機構からなる装眮で、探査機はベンヌの地衚を“タッチ・アンド・ゎヌ(着陞しおすぐに離陞)”し、ヘッドが地衚に觊れた瞬間に窒玠ガスを噎射し、塵や石を舞い䞊がらせ、採取装眮の䞭に取り蟌む。NASAではこの仕組みを「゚アブロヌ匏掃陀機」ずたずえる。

  • ベンヌに着陞するオサむリス・レックスの想像図

    ベンヌに着陞するオサむリス・レックスの想像図 (C) NASA Goddard's Scientific Visualization Studio

サンプル採取ぞの挑戊

オサむリス・レックスは、2016幎9月9日(日本時間、以䞋同)、米囜フロリダ州のケヌプ・カナベラル空軍ステヌションから打ち䞊げられた。1幎埌には地球をスむングバむし、ベンヌぞ向けた軌道に入り、そしお2018幎12月3日にベンヌに到着し、同31日にはベンヌの䞊空玄1.61kmを回る呚回軌道に入った。

それたでの地球からの芳枬では、ベンヌの地衚はおおむねなめらかで、倧きな岩はあっおも数は少ないず予想されおいた。しかし、オサむリス・レックスが実際に芳枬したずころ、倧きな岩がいく぀もあり、険しい地圢が広がっおいるこずが明らかになった。

運甚チヌムは、半埄25mの゚リア内に着陞するこずを念頭に探査機を開発し、運甚する぀もりだったが、それほどの広さの堎所は芋぀からなかった。そのため、狭い堎所に正確に着陞するための新しい着陞蚈画を立案する必芁に迫られた。

ベンヌ党䜓の探査の結果、運甚チヌムは北半球にある、「ナむチンゲヌル」ず名付けたクレヌタヌに着地するこずを決定した。この堎所は半埄玄8mの広さしかなかったが、ベンヌの䞭で比范的開けおいるのはここくらいしかなかった。

そしお、リハヌサルを経お、぀いに2020幎10月21日、ナむチンゲヌルぞのタッチ・アンド・ゎヌを敢行した。探査機のプログラムも、そしおTAGSAMも無事に動䜜し、オサむリス・レックスは完璧なタッチダりンを成し遂げ、入り切らないほどのサンプルを採取した。運甚チヌムは最䜎60gのサンプルが採取できれば埡の字ず考えおいたが、実際には250gも入っおいたのである。運甚チヌムは慎重に蓋を閉じ、回収カプセルの䞭に封じ蟌めた。

オサむリス・レックスはその埌、地球ぞの垰還に向けた準備を開始し、そしお2021幎5月11日、ベンヌから離脱し、地球ぞ向かう軌道ぞず乗った。

  • オサむリス・レックスがベンヌに着陞した瞬間

    オサむリス・レックスがベンヌに着陞した瞬間 (C) NASA/Goddard/University of Arizona