アキレスは10月5日、同社の「導電性表皮材」がトヨタ自動車が2023年9月に発表した新型「センチュリー」に採用されたことを発表した。

  • トヨタ「センチュリー」

    トヨタ「センチュリー」(PHEV・E-Four Advanced)のオプション装着車の外観イメージ (出所:アキレス)

トヨタの製品カタログでは「除電機能付表皮」と記載されている同社の導電性表皮材は、運転席のシートに用いることで、ドライバーと周辺に溜まっている静電気をボディ全体に分散させて帯電量を軽減することを可能とするもの。それにより安定した車両挙動につながるほか、より気持ちのいいドライビングにも貢献するという。

アキレスの静電気対策技術は長い歴史を有しており、静電気が大敵な半導体分野などでも活用されてきた。また、車両用シートの表皮材のノウハウについても長年にわたって培ってきており、今回、これらの技術をトヨタの協力を得て開発を進めることで、「除電スタビライジングプラスシート」の除電機能付素材として実用化したとする。

  • 除電スタビライジングプラスシート

    緑の部分が除電スタビライジングプラスシート機能を搭載した部分 (出所:アキレス)

同社の技術は今回の新型「センチュリー」のほか、2021年の「カローラ特別仕様車」、2022年の「新型クラウン」、2023年の「新型プリウス」などでも採用されており、同社では表皮材の生産からウレタンのラミネート加工まで自社工場で一貫して行いつつ、同じ社内で生産・加工することで省力化・効率化を図り、品質の安定化を推進していると説明しているほか、今後も技術や製品のさらなる進展と拡販を図るとともに、保有技術を活かして、人と環境にやさしく快適な生活空間を創造する企業を目指すとしている。