Samsung Electronicsは9月1日、12nmクラスのプロセス技術を採用した32Gビット DDR5 DRAMを開発し、2023年末までに量産を開始する計画であることを発表した。
Samsungが最初にDRAMを開発したのは1983年。当時は64Kビットであった。それが最新世代となる2023年5月には12nmクラスのプロセス技術を採用して16Gビット DDR5 DRAMにまで到達。今回の32Gビット品は、128GBモジュールを製造するのに従来の16Gビット品では必要だったTSVプロセスを不要にし、16Gビット品を採用した128GBモジュールと比べて消費電力を約10%削減することを可能としたという。これにより、データセンターなどの電力効率を重視する企業などに最適なソリューションを提供できるようになるとSamsungでは説明している。
また同社では、この12nmクラス 32GビットDDR5 DRAMを基盤に、コンピューティングおよびIT業界の今後の需要を満たすことを目的に、大容量DRAMのラインナップを拡大し続ける予定だとしており、主要な業界プレーヤーと継続的な協力関係を築いていくことを目指すとしている。
中でもHBM3に関しては、韓国の電子産業専門メディアであるET Newsによると、業界関係者からの情報としてSK hynixが主導してきた同市場において、最近、SamsungのHBM3がNVIDIAの最終品質テストに合格したことを踏まえた供給契約を締結。早ければ2023年秋から供給する可能性があると報じている。
HBM3はNVIDIAの最新世代のAI半導体に搭載されるなど、高性能が求められる領域で活用されているが、これまではSK hynixの一人勝ちに近かったが、SamsungがNVIDIAに供給するようになれば、SamsungもHBM分野の最大顧客を確保することになる。