ロームは8月31日、物流・在庫管理などのラベル印刷に使用されるバーコードラベルプリンタに最適な高速・高信頼性サーマルプリントヘッドの新製品「TE2004-QP1W00A(203dpi)」「TE3004-TP1W00A(300dpi)」を開発したことを発表した。
eコマース(EC)市場の急成長や消費者ニーズの多様化により、物流ラベルや在庫管理ラベルなどの需要が急速に高まっている。しかし従来のサーマルヘッド技術では、その印字速度は250mm/s~300mm/s程度が限界だったという。
そこでロームは、新しい構造や技術を採用することで高速かつ信頼性の高いサーマルプリントヘッドを開発。従来品からは、基板の素材や構造、配線パターンなど多くの要素を大幅に見直しているといい、特に印刷速度や品質に影響する加熱部分は、同社独自の3D加工技術を使用した構造を新たに採用したとのことだ。これにより、印刷速度を従来品の約2倍となる500mm/sまで向上させたとする。
またヘッドについては、高硬度保護膜を付与した2層保護膜を施工することで、高速印字の耐摩耗性や耐静電気特性、水分や塩分による腐食への耐性を向上させ、ヘッドの長寿命化を実現したという。
なお新製品は、2023年8月よりサンプル出荷および量産を開始しているとのことで、サンプル価格はTE2004-QP1W00A(203dpi)が6万円/個(税別)、TE3004-TP1W00A(300dpi)が6万6000円/個(税別)だとしている。