三菱重工業(MHI)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月28日9時26分22秒(日本標準時)に予定していたH-IIAロケット47号機の打ち上げを中止したことを発表した。

打ち上げ30分前の打ち上げ可否判断で上空の風が打ち上げ条件を満たさないためだという。現地で取材を続ける大塚実氏によると、前日の機体移動から、打ち上げ1時間前程度までは地上ではそこまで強い風は感じられなかったが、打ち上げ時刻が近づくにつれ、徐々に地上でも風が強くなってくるのを感じられるようになってきたという。

打ち上げの予備期間は9月15日までを予定しており、1日延期されると打ち上げ時刻はおよそ4分ほど前倒しとなるが、28日9時30分時点でまだ次の打ち上げ日の公式発表はない。現在、フィリピンの東に台風9号が、マリアナ諸島に台風に発達する可能性がある熱帯低気圧がそれぞれあり、このうち熱帯低気圧が9月1日ころに日本の南側を通過する予想となっており、今後の天候次第では9月に入ってからの打ち上げとなる可能性もある。

なお、H-IIAロケット47号機には宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「X線分光撮像衛星(XRISM)」および「小型月着陸実証機(SLIM)」が搭載されており、2機同時の打ち上げということでフェアリングはデュアル打ち上げ用の「4/4D-LC」を採用。H-IIAロケットとしてはもっとも長い形態となっている。

  • 射場で待機していたH-IIAロケット47号機

    8月28日9時26分22秒(日本標準時)の打ち上げに向けて射場で待機していたH-IIAロケット47号機。写真では分からないが、射場上空の雲が勢いよく流れていく様子が確認されるなど、上空の風が打ち上げ条件を満たさず、中止と判断された (写真提供:大塚実)